第43話 捕虜帰還とリーファ出撃
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報部としても、シトレ、ロボス暗殺未遂事件の黒幕を探っており、リーファの指摘もあり軍強行派、トリューニヒト派、フェザーンを探る事にしたのである。
帝国軍側は、今回も国務省次官ゲルラッハ子爵と軍務省次官ルーデンドルフ大将とレムシャイド伯が代表者であり、全体的に同盟より格下の人物で有るのは帝国の矜持の表れと言えるのである。
11月25日正午に交換地点で、両政府代表者が捕虜交換文書に調印し、あくまで帝国側は格別な慈悲であると明記し、マスコミの参加も拒否されたために記者会見もなく、握手も無い状態で両者とも別れた。その後両軍がチャーターし、捕虜を満載したフェザーンの貨客船をそれぞれ交換し、同日17.00時にはそれぞれの支配宙域に向けて移動を開始した。
同盟側の将兵、民間人合わせて310万327名が帰国の途についた。将兵は皆やつれており、悪名高き矯正区での生活がどれ程凄まじいかを暗示させる程であった。民間人は以前拉致され農奴としてこき使われてきた為に、皆虚ろな表情で病人や怪我人や老人ばかりで、若年者や働き盛りは殆ど居なかった。
帝国政府が、農奴を解放する際に、農奴の所有者たる門閥貴族が使い物に成らない人材を送ってきたもので、人材の質自体は考慮されていなかった。その為に未だ帝国に居る農奴を解放するために帝国領への侵攻拠点を得ると言う口実に、再度イゼルローン要塞攻略の声が上がるようになって行くのである。
チャーター貨客船であるために速度が遅く帰還艦隊は11月30日にウルヴァーシー基地へ到着し、捕虜達は久々に自由の地へ降り立った。それからが一苦労であった、セレブレッゼ中将の指揮の下、憲兵隊、情報部が帰還捕虜の調査を始め、更に医療班がメディカルチェックを行った。
その地には国防委員会や族議員が集まり、自分の名前を売ろうと国費で作った自分の名前入りのタオルや万年筆などを配りまくり、少しでも票を得ようと見苦しい姿を見せていた。またマスゴミも多数参加して殊更に、過激な論法を流しまくるのである。
帰還兵に対しては、統合作戦本部での話し合いで、一階級昇進の上、捕虜中の俸給支給と外地手当加俸及び退役後の年金支給を決定していたために、比較的穏やかに居られた。一階級昇進の上、捕虜中の俸給支給と外地手当加俸については、カスター国防委員長も自らの選挙票のためとはいえ賛成し、議長も賛成し、レベロ財政委員長の支持を受けて居たのですんなりと決まっていた。
レベロとホアンは本気で帰還兵の事を考えていたのに対して、他の委員は支持率上昇と、来年の選挙の票集めだけを目的にしていたのが浅ましいが、統合作戦本部《リーファ》にしてみれば、帰還兵への厚い保護は後々まで良い影響を与えるので、その浅ましさを利用しまくる事にしていた。
ウルヴァーシー基地で帰還捕虜と民間人が
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