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216部分:ラグナロクの光輝その七十
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ラグナロクの光輝その七十

「何故今まで銀河に生きてこれたか。そうした秘密があったのか」
「その通りです」
「ラインは巨大でしかも無限の資源を持っている惑星。彼等はそこから無尽蔵とも言える富と力を蓄えてきたのです」
 何故アルベリヒの時代から彼等が生き残ってきたのか。そうした事情があったのだ。ライン。それは彼等にとって永遠の富と力をもたらせてくれる故郷であったのだ。そのラインがあるからこそ彼等は勢力を維持してきたのだ。第一帝国の遥か前から。だからこそ今もこの銀河にいるのだ。
「ラインは彼等にとって永遠の場所」
「そこを陥落させねければならないのはわかっていましたが」
「今まで。それは果たせずにきました」
「遥かな古代より」
「だがそれももう終わりだな」
 ジークフリートはラインの赤い大地を見据えていた。
「私達があのニブルヘイムを陥とすのだからな」
「ええ」
「その為には」
「まずはラインに降下する」
 ヴァルターが言った。
「はい」
「それが先決です」
「ニブルヘイムのことは。わかっているのか」
「それはお任せ下さい」
 パルジファルがヴァルターの言葉に応えた。
「私が全て知っています」
「卿がか」
「まさかそこへの記憶もまた」
「戻ってきました。かって私はニブルヘイムでも戦いました」
「ふむ」
 またしても新たな事実がわかった。パルジファル、かってのバルドルはニーベルング族との戦いでニブルヘイムにおいてアルベリヒと戦っていたのだ。だがその時は決着はつかなかったのだ。
「あの時に彼を倒していれば」
 彼は言う。
「今こうしてここにはいなかったでしょう」
「それもまた運命だったのだろうな」
「卿がここに来る為の」
「おそらくはそうなのでしょう」
 六人の仲間達の言葉に応えた。
「ですが今は違います」
「敵の攻撃射程に入ります」
 ここでワルキューレ達から通信が入ってきた。
「わかりました」
 パルジファルはそれに応えた。
「ではこのまま直進です」
「何っ」
「今何と」
「このルートなのですよ」
 彼は驚く同志達に対して言った。
「かって私がニブルヘイムに入り込んだのは」
「そうなのか」
「それで」
「はい、ですからこのままです」
 全てはパルジファルの記憶が物語っていた。アースとしての。だが今彼は同時に人であった。最早神ではない。だが彼は今神としての記憶が蘇っていたのだ。
「そしてニブルヘイムに入り」
「それから」
「ニーベルングの下へ」
 全ては決まっていた。七隻の戦艦と九機の戦闘機はそのまま突っ込む。その周りには攻撃が降り注ぐ。しかしそれは一発も当たりはしない。
「敵の攻撃はやはりな」
「一発も当たらないか」
「全ては卿の言う通りか」

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