切り札
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・」
「こいつヤバイよ〜」
見た瞬間にわかる。こいつは間違いなく強い・・・それも、ハルジオンから攻めてきた天海と同等か、それ以上だ。
「何者だ!!あんた!!」
ギルダーツさんを守るような形で立つカナさん。俺たちも彼を守るような布陣になると、青年はわずかに見える口元を緩ませた。
「俺の名前はティオス。マカロフから聞いてるだろ?スプリガン16の一人だよ」
「「「!!」」」
ティオスって言えば確か神の子と称されるほどの実力の持ち主であるはず・・・そんな奴なら、確かにこれだけの雰囲気を持っていてもおかしくはないか。
「あんたがゼレフの子供って話の・・・」
「??子供?」
わずかに持っている彼の情報。それが突破口に繋がるかはわからないが、確認しておいて損はないはず。そう思っていたのだが、カナさんの発言を聞いたティオスは思わず吹き出していた。
「何笑ってるんだ!!」
「そりゃあ笑うよ。俺が黒魔導士の子供だなんて・・・」
マスターから聞いた情報ではゼレフには一人子供がいて、それがティオスなのではって話だった。確かにこいつはゼレフに似ている魔力を持っている。それなのに、今ので笑うってことは違ってことか?
「まぁ半分くらい正解だけど」
「「じゃあなんで笑ったんだ!?」」
急に真一文字に結ばれた口から放たれた強烈なボケに突っ込まずにはいられなかった。何なんだこいつ、誰かに似てる気がするぞ?
「ま、そんなことはどうでもいい。俺は俺のやるべきことをやらねばならない」
地面を蹴るティオス。その瞬間、俺は嫌な予感がしてすぐさまジャンプした。
すると、俺がそれまでいた場所は一瞬のうちに凍り付いてしまった。
「氷の魔法!!」
「それもかなり速いよ〜!!」
地面を蹴ることで魔法を発動させたのは言うまでもない。しかし、それが一瞬のうちに離れていた俺にまで届いていたということは、相当のやり手であることがわかる。
「相変わらず勘がいい。いや、目がいいのか?」
一撃で決めたかっただけにこの失敗は彼にとって非常に大きいはず。ここからどうするべきか悩んでいるティオス。そんな彼に俺は気になったことを問いかけた。
「俺とお前は会ったことがあるのか?」
相変わらずという言葉がどうにも引っ掛かった。俺にはティオスなんて知り合いはいないし、ましてやこんな敵になる氷の魔導士なんて知りもしない。すると、彼は迷ったような仕草を見せる。
「・・・それはまだ知らなくていい。いずれわかることだから」
いずれわかる?この戦いの最中に知ることができるってことか?でも、それじゃあさっきの一撃で仕留めようとしたことと矛盾してしまうような・・・
「シリル・・・お前はここから離れろ
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