ペルソナ3
2051話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
望月が正体を現した日の翌日の影時間……俺達の姿は、草原にあった。
今まで何度か遊びに来た、東京の外れにある草原。
そこにいるのは、昨日のメンバー……以外に、武治の姿もある。
まぁ、ニュクスなんて存在が明らかになり、同時にその端末的な存在の望月がいるのだ。
影時間の解決に10年前から必死になってきた武治にしてみれば、望月という存在と、その口から説明された事は到底信じられない事だろう。
もっとも……その望月の説明以上に信じられないのが、俺の事だろうが。
ちなみに、望月と戦って壊されたアイギスは、桐条グループの研究所に運ばれて、現在修理中となっている。
「さて……アルマー。こうして皆が集まった事だし、そろそろ説明して欲しい。報告にあったように……」
そこで一旦言葉を切った武治が望月に視線を向けるが、望月はいつものように飄々とした態度を崩す様子もなく、こちらに視線を向けている。
そんな望月の態度に何か思うところはあったのだろうが、それでも不満は口にせず、再び口を開く。
「ニュクスという存在がいて、その存在が目覚めればこの世界は終わる。だが……アルマーならそれをどうにか出来ると、そう言える根拠を」
「そうだな。正直なところ……その辺りの話は、本来ならもう少し前に話しても良かったんじゃないかと思ってる。実際、ゆかりには結構前に話してるんだし」
そう言うと、当然のようにこの場の全員の視線がゆかりに向けられた。
そのゆかりは、微妙に俺に向かって責める視線を送っている。
ここで自分に話の矛先を向けるなと、そう言いたいのだろう。
ゆかりを不機嫌にさせると後で怖いので、今は話を俺の方に戻すとするか。
「幾月の件がなければ、もっと前に話していた筈だ」
「……幾月、か」
俺の言葉に、武治が苦い表情でその名を呟く。
武治にしてみれば、長い間信頼していた部下だったのだ。
その信頼していた部下が、破滅願望に魅入られていたのだから……実は、武治に人を見る目ってのはあまりないのかもしれないな。
もしくは、単純にそれだけ幾月の演技が上手かったのか。
出来れば後者だと思いたいところだが……果たして、どうだろうな。
「ああ。武治にとっては信頼出来る相手だったらしいが、俺は一目会った時から、信じるべき相手ではないという認識を持っていた」
もっとも、俺だって別に人を見る目が武治よりも上だ、などと言うつもりはない。
俺の場合は、自分の判断よりも直感で幾月が気に入らない相手だという風に見抜いたのだが。
人を見る目が勘に頼ってるようでは、それこそ武治の人を見る目がどうこうといった事を言える訳もない。
念動力も、それこそ望月程に危険な相手でなければ反応はしないし。
「……そうか
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ