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レーヴァティン
第五十四話 吟遊詩人その九
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「ビキニの鎧で剣とか持ってる」
「そうした格好ね」
「うん、そんなのって思っていたら」
「男の人と変わらないわね」
「進太みたいな重武装だよ」
 その進太を見ての言葉だ。
「実際にね」
「それが現実よ」
「そうなんだね」
「そうよ、現実は寒さ対策がまず来るのよ」
「着ている服には」
「こうした島だとね、だから女の子にはね」
「夢を持つな?」
「そうよ、モンスターや魔法がある世界でも」
 自分達が今いる世界に他ならない、清音はあえて語るのだった。
「そんな戦士それこそ夢だから」
「コナンとかのだね」
「そんな世界だけのことよ、少なくともこの島は違うわ」
「やれやれだよ、まあかく言う僕達もね」
 源三は自分達全員を見た、誰もが長袖にズボンにブーツ、それにコートやマントまで羽織っていて防寒対策は十分だ。
「露出ないしね」
「男の人がそれで女の人が違うって思う?」
「思えないね」
「そういうことよ、それじゃあ何はともあれ」
 清音は一行にあらためて話した。
「これから宜しくね。楽器と魔術師の術は使えるから」
「ああ、それでだな」
「戦いは任せてね。あと鍵とか罠を外すことも出来るから」 
 こう久志に話した。
「そっちも出来るから」
「多才なんだな」
「だって吟遊詩人って一人旅が多いでしょ」
「それだったらか」
「何でも出来ないと生きていけないから」
 それ故にというのだ。
「だからよ」
「罠とかの解除もか」
「出来るわ、見付けてね」
 そのうえでというのだ。
「楽器の演奏でモンスターを眠らせたり退散させたりもして」
「そうして生きていくんだな」
「基本武器を持っての戦闘は出来ないけれど」
 それでもというのだ。
「そうして戦うことは出来るから」
「戦闘も可能か」
「魔術師の術も使えるし」
 このこともあってというのだ。
「自分の身は自分で守れるわ」
「じゃあ頼りにさせてもらうぜ」
「戦闘でもそれ以外でも」
「是非な、さてそれじゃあな」
「このヴェネツィアをですね」
「発つか」
 久志は順一のその言葉に応えた。
「そうするか」
「はい、思わぬ展開になりましたが」
「運命ってやつだな、まさに」
「ではその運命に導かれて」
「今度はミラノか」
「あちらに行きましょう」
 本来目指す予定だったこの街にというのだ。
「あらためて」
「それじゃあな」
「さて、ミラノでは」
 この街のことにもだ、久志は言及した。
「獣使いに会うけれどな」
「あそこも商業都市だから」
 淳二が言ってきた。
「だからね」
「よく見てか」
「うん、そしてね」
「どうしていくか、か」
「この島を統一する中でね」
「考えていくべきだな」
「そうしていくといいよ
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