第24話『暁のティッタ〜勇者が示すライトノベル』
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線が、遥か天空へ向けられる。ヒトの届かぬ楽園に座る神へ向けるかのように。
「あいつは――――自分を保つ術を知らない。やはりあの時のまま、縛られたままでいる」
凱も、シーグフリードも、フィグネリアも皆、戦いの場の中心に身を置いている。
「お前たちの前では平静を装っているが、時折オレより孤独に見える」
「とにかく、ガイ殿を探さないことには―――」
遅れて現れた禿頭の騎士ルーリックに焦りの色が濃く映る。
まさか――ほんとうに凱が逃げ出すなど。
「あの……フィグネリアさん」
フィグネリアの袖をつまみ、ティッタが細くつぶやく。
「あたし……なんとなくですけど、ガイさんの居場所をわかる気がするんです」
「本当か?」
僅かに驚くフィグネリア。
「うまく言えませんが、多分あの場所にいるんじゃなかと思います」
確証はないが確信をもって、先ほどまで失っていたティッタの瞳に輝きが戻る。
「行こう。ティッタ」
「フィグネリアさん……」
「私だって伝えたいんだ――ガイに……どうしても」
「あたしもです。」
そう、二人だけで行く。この役目だけは譲れない。
いずれにせよ、治安維持と拠点防衛のために、リムたちは併走しなければならない。
今、行かなければ手遅れになる。夜明け前の空を見上げながら、そんな胸騒ぎを隠せない二人。
いずこかへ流れた勇者の星を探しだす。※6
まだ、流星の丘アルサスのどこかに、流れてついているはずだ。
未来の王と現代の勇者が誓いを交わした、あの約束した場所なら――
【深夜:アルサス〜ユナヴィールの路丘】
青年は、闇夜の中をひたすら走り続けていた。
何かを振り切るかのように、無我夢中で。
「????ここは?」
走り続けて立ち止まった時、動悸の苦しさにうずくまる。ここはどこなんだ?
『夜』の中で何も見えない。
『闇』にまぎれて何もわからない。
このまま……『死』を迎えて消えてなくなりたい。
でも――――
正直、何も見えなくても、わからなくても、どこだってかまわなかった。
自分の信じてきたものが、音もなく瓦解している今ならば――
伏せるようにうずくまると、繰り返される言葉が頭をよぎる。
言葉は呪いだ。
呪い故に、獅子王凱は全てを失った。
(……アリファール)
腰に差しているアリファールを外し、紅玉の鍔を見つめる。
(どうして……どうして俺を求めたんだ?エレンじゃなく、なんで俺なんだ!)
勇者は遠き地で囚われの身の姫君と、手元の竜具に一方的な恨みをぶつけた。
この後に及んで責任転嫁か。笑えない。
オステローデで立ち直ったのは偽りで、本当
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