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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第24話『暁のティッタ〜勇者が示すライトノベル』
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に」

目指せば目指すほどに、遠く感じる理想世界。
偶然の『異世界』に迷い込むのではなく、必然の『理想世界』に辿り着きたい。そう願ってジスタートの戦乱を、黒竜の化身は勝ち抜いてきた。戦姫――ヴァナディースと共に。
だが、300年たった今でも、ヒトは何一つ変わっていない
己が世界を守る為だけに、皆の世界を奪うその矛盾。そんな輪廻を断ち切りたいがために、竜具に『夢』という自立行動選定基準を打ち込み、次代へつなげるシステムを確立したというのに。
だからこそ我……『黒竜』は『獅子』の名を持つ、目の前の青年に問う必要がある。

「シシオウ=ガイ。もう一度聞きたい。お前はなぜ戦う?富か?名誉か?それとも……チカラか?」

そういうのは……よくわからない。

「今となってはよく思い出せない。だけど、これだけははっきりとわかる。今は守りたいものの為に戦う。戦いたいんだ。守る為に―――(キズナ)がほしい」
「キズ……ナ?」

意外だった。
人を超越した青年から、まさか絆が欲しいと乞われたのは。

「俺ひとりじゃ本当にどうしようもない。全部ひとりで事を成そうだなんて不可能なのは俺が一番よく分かっている」

――そうだ。パルパレーパと初対峙したとき、護がいなかったらファイナルフュージョンさえもできなかった。
凱に応えることなく、虚しく漂うガオーマシン群。凱の通信にメインオーダールームのクルーメンバーは誰も応答しない。人類の弱さをまざまざと見せられた、あの悔しさ。

「ティッタも、フィーネも、みんな俺に力を貸してくれている。それはすごく感謝してる。けれど、もっともっとナカマが欲しいんだ。俺のことを知らない人も、キズナとして」

今以上の絆繋(フォロワー)が必要なんだ。
それも、相互に知りえる可能性を持つ人たちを。
既にへし折れているアリファールの刀身。しかし未だ砕かれていない魂の紅玉に瞳を移す、凱と黒竜の化身。

「アリファールだけじゃない。ラヴィアスも、ザートも、バルグレンも、ヴァリツァイフも、エザンディスも、ムマも、とにかくみんなの想いと力が欲しい」

ジスタートのみんなも、ブリューヌのみんなのチカラも借りたい。
けれど、それで巻き込まれる皆は危険にさらされるんじゃないか?その不安もやはりぬぐえない。

「想いとチカラが欲しいのか?そのうえでキズナが欲しいと?」

まるで確かめるように、凱の言葉を続ける黒竜の化身だったが、その声は慈愛に満ち溢れていた。

「??図々しいな。お前は」
「う……それは」

返す言葉もなく、黒竜の化身の予想外の感想に、凱は恥ずかしくなり、思わず口をつむんでしまった。
これ以上に原作(セカイ)を腰掛ける勇者が他にいるのかと。
だけどこれは凱の本心だ。一人一人が勇者に
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