第24話『暁のティッタ〜勇者が示すライトノベル』
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自分たちで未来を切り開かなければいけないなら、心の剣で描きたいものを描けばいいんだ。
そうでなくては……この『作品?カタチ』がこの世界に生まれてきた意味がない。
「戦うよ――ヒトに理由を押し付けるんじゃなく、俺が勇者である為に――俺がそうしたいから、戦うんだ!」
闇の中では何もできないから――光の中ならしたいことをすればいい。
「教えてくれて……ありがとう!ティッタ!フィーネ!アリファール!」
そこに一片の濁りはない、涙の晴れた凱の力強い笑顔。暁より眩しい凱の表情に、女性二人は思わず目を見開いた。これが、ガイさんの……本当の?
作者の物語を見守ってくれる読者に、してやれることは、立ち止まることじゃない!
「俺は――――この『原作』が大好きだ!だからもう……立ち止まらない!」
ここから始まるんだ。
「まだ頼りない俺だけど……こんな俺でもよかったら、もう一度力を貸してくれ!アリファール!」
俺に描ける物語は、ひょっとしたら大したものじゃないかもしれない。
けれど、アリファールという心の剣で描ける未来は必ずあるはずだ。
みっともない姿を、これからも見せるかもしれない。
その時、この世界の読者はどんな感想を抱くのだろう?
落胆?嫉妬?絶望?憤怒?どれかはわからない。
でも、ティッタのように剣の切先へ光を示す人だっている。
「ありがとうございます―お疲れ様です―次は大丈夫です」たったそれだけの短い言葉だって、作者の心には光りが差すに十分なのだ。
獅子王凱の描く『光の冒険譚?ライトノベル』は――ここから始まる。
〜〜……戦うのだな……〜〜
唐突に響いたその声に、凱は反射的に声をあげた。
「誰だ!?」
高く掲げたままのアリファール。太陽の光を受けていた紅玉が、強い光を一帯に放つ。
〜〜……お前は……戦い続けるのだな……己以外の『原作』の為に〜〜
誰だかわからない。その声はどこか、挑戦的にも聞こえた。
まるで――『勇者』に挑戦状を叩き込む『王』のような。
「そうだ……!そんなこと……当たり前だ!」
例え背表紙のような境界があろうとも!人を助けることに何の不自然があろうか!?
もう――自分の『原作―セカイ』だけが生き残る時代など、とうの昔に終わっているんだ!
自分の『作品?カラ』に閉じこもって得た平和と、『作枠―カラ』を突き破って得た幸せは、決してイコールじゃない!
俺がそうしたいか
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