「言葉はむずかしいです……」
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な笑顔を浮かべながら、冷ややかな声色と殺気を込めた視線を向けてくるリズに。説明しなければいけないことが増えたらしいと、ショウキは死を覚悟しながらも二人の少女へと向き直った。
「言葉はむずかしいです……」
「でも尻に敷かれる、ってのは覚えたでしょ?」
「はい。そちらはバッチリです」
「…………」
……どうにかこうにか命だけは繋ぎ止めたとばかりに、説明と釈明を終えたショウキは二人の背後でげっそりと歩いていた。どうやらプレミアも納得はしたらしく、上機嫌なリズに撫でられてドヤ顔を晒していて。そうして勝手知らないエルフの宿舎を歩いていれば、すぐに見知った顔に遭遇した。
「あ、プレミア。勝手に出歩いちゃダメじゃないですか!」
「申し訳ありません。ショウキを起こしに行っていました」
「まあまあユイちゃん。おかげでショウキくんも来たしね?」
「む……そうですね。ごめんなさい、プレミア」
「いえ」
相変わらずプレミアにお姉さんぶりたいらしい、家以外では見慣れない本来の少女姿で過ごしているユイに、それを経験者とばかりにたしなめるアスナと。もちろん先のクエストで共に戦った二人もまたここにおり、さらにもう一人、アスナの傍らに黒づくめの少年が立っていた。
「えっと……リズにショウキ、だよな?」
「あんたと同じく、アバターを変えてるあたしにショウキよー?」
「悪かったって。それに……プレミア、だよな? 俺はキリトだ。よろしく」
「はい。ユイから話は聞いています。よろしくお願いします」
イグドラシル・シティへと移行したことにより、まだアバターを変えたショウキたちに慣れていないらしく、本人も浮遊城の頃からアバターを変えているだろうにキリトは苦笑しつつ。プレミアに握手を求められて応じていると、ユイの存在からかやはり珍しいのか、キリトはしばしプレミアを観察する。
「……どうした?」
「あ、いや……何でもない」
「なあにあんた、プレミアまで手込めにするつもり?」
「てごめ?」
「パパ?」
「ち、違うって! リズも 変なこと言わないでくれ!」
……キリトは何やらプレミアに気になったことでもあったようだが、それはリズのちょっとしたからかいで聞ける雰囲気ではなくなって。何よりショウキからすれば、ピクリとも表情を動かさずに、笑顔で固定されたアスナのことが恐ろしかったということもあるが。
「皆、ここにいたか」
「キズメル。ごきげんよう」
そうして揃って宿舎から出たところで、もはや見知った顔のエルフが親しげに話しかけてくる。皆、とは呼ばれたものの、一人だけいない者もいるが……まあ、あの鼠は色々とやることでもあるのだろう。
「……キズメ
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