第二十八幕:曇り時々虹!?
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扉を開けた。
七夏「くすっ☆」
いつもの七夏ちゃん。良かった・・・外は雨だが、七夏ちゃんは晴れている! そんな事を思っていると−−−
七夏「柚樹さん!? どうかしましたか?」
時崎「いや、なんでもないよ」
昨夜の事を思い出して少し恥ずかしくなったけど、流石に今、今日という日を閉じる事は出来ない。俺が一階へ降りようとしても、七夏ちゃんはそのまま動く様子が無い・・・どうしたのだろう?
七夏「・・・・・」
時崎「七夏ちゃん!?」
七夏「あっ!」
俺は、昨日と同じように、七夏ちゃんの手を繋ぐ。
時崎「凪咲さん、待ってるよ!」
七夏「はいっ☆」
七夏ちゃんと手を繋いだまま、一階の玄関へ差し掛かると、お泊りのお客様の一人、若い男の客が居た。手には携帯端末を持っており、何かを操作している・・・。七夏ちゃんと手を繋いでいる所を見られるのは恥ずかしいと思っていると、それが七夏ちゃんにも伝わったのか、七夏ちゃんも手の力を緩めてくれ、自然と二人の手は離れる。少し名残惜しくもあるけど、二人の息が合っていると、逆に嬉しくも思えた。
時崎「おはようございます!」
男客「どうもです!」
男の客は携帯端末を見ながら、返事を返してきた。昨日の出来事があった為か、あまりいい気はしないけど、まあ仕方がない・・・か。
七夏「お、おはようございます」
俺に続き、七夏ちゃんも男の客に挨拶をする。
男客「お! 昨日の! やっぱり可愛いね!」
男の客はそう言いながら、また携帯端末で七夏ちゃんを撮影し始めた。また嫌な予感が蘇ってきた。
七夏「ひゃっ!」
時崎「ちょっ!」
七夏「す、すみません! 失礼します!」
七夏ちゃんは、再び二階へ駆けて行く・・・俺は男の客に申し出た。
時崎「すみません。今撮影した写真、消してもらえませんか?」
男客「え? なんで?」
時崎「七・・・さっきの女将さん、写真を撮られるの苦手でして・・・」
男客「別にいいでしょ? 減るもんでもないし!」
時崎「消してくれっ!!!」
男客「!!!」
凪咲「柚樹君っ!!!」
俺の大きな声に、凪咲さんが飛び出してくる。
凪咲「大変失礼いたしました。申し訳ございません。柚樹君も!」
時崎「・・・すみません。失礼いたしました」
男客「なんだよ! 消せばいいんだろ!」
「減るもんでもない」・・・それは、男の客からの視点に過ぎない。俺や七夏ちゃんから見れば「大減り」だ。昨日、七夏ちゃんが辛い思いをした事なんて、この男の客には分からないだろう。
凪咲「柚樹君、下がってくれるかしら?」
時崎「・・・はい。すみません」
凪咲さんと、男の客に頭を下げて、俺は自分の部屋に戻る。七夏ちゃんの事も気になるが、
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