第二十八幕:曇り時々虹!?
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宿が禁煙である事や、夕食、朝食の場所と時間、お風呂場の場所とご利用時間、浴衣の場所とお布団の準備時間、外出される場合、鍵の預け先等、ここ風水での生活にある程度慣れていて、良かったと思った。ひととおり説明を終え、ようやくひと段落ついた。
凪咲「七夏、まだ自分のお部屋かしら・・・」
時崎「そう・・・みたいですね」
凪咲「困ったわね・・・おつかいを頼んでたのですけど・・・」
時崎「だったら、俺が代わります!」
凪咲「ありがとう。柚樹君」
時崎「いえ」
凪咲さんから、おつかいのメモを受け取ると、俺は商店街へと急いだ。買い物自体は食材が主で、今日の夕食や、明日の朝食に使うのだと思う。玉子はまだ沢山あったような気がするけど、お客様には新鮮な食材で・・・と言う事なのかも知れない。
買い物をしながら、七夏ちゃんの事を心配してしまう・・・俺が風水に帰る頃には、いつもの七夏ちゃんに戻ってくれる事を願ってしまう。
時崎「ただいま!」
凪咲「おかえりなさい。柚樹君、おつかいありがとう」
時崎「いえ」
凪咲「七夏は、まだ部屋に閉じ篭ったままで・・・すみません」
時崎「そう・・・ですか・・・」
凪咲「困ったわね・・・」
時崎「引き続き、俺、手伝いますので!」
凪咲「ありがとう。柚樹君」
時崎「ひとつ、訊いてもいいですか?」
凪咲「何かしら?」
時崎「過去にも、こんな事ってありましたか?」
凪咲「ええ」
時崎「ありがとうございます」
俺は、それ以上の事は訊かなかった。過去にもこのような事があったという事は、少なくともお客様が帰られれば、いつもの七夏ちゃんに戻ってくれると思えたから、今は波風を立てるのは良くないと思った。人は、初対面時に苦手な人かどうかを本能的に判断する。俺よりも色々な人と出逢ってきているであろう七夏ちゃんは、苦手な人と出会う機会も多いのかも知れない。
その後、凪咲さんは夕食の準備を行い、俺も手伝える事は手伝った。お泊りのお客様へ、夕食とお風呂のご案内をして、その間にお布団の準備も行う。
直弥「ただいま」
凪咲「おかえりなさい。あなた」
時崎「おかえりなさい」
直弥「七夏は?」
凪咲「ちょっと・・・色々あって・・・」
直弥「・・・そうか」
そう言えば、七夏ちゃん、夕食を食べていないな・・・俺は、七夏ちゃんの部屋の前まで移動した。七夏ちゃんを呼ぶかどうか少し迷ったが、このままだと心配なので、声を掛けてみる。
トントンと軽く扉を鳴らす。
時崎「七夏ちゃん!」
呼んでもみたけど、返事は無かった。寝ているのかも知れないな・・・。一人になりたい時もある・・・俺はもう少し時間を空けて様子を見ることにした。
直弥「時崎君!」
時崎「え!? はい!?」
直弥「ちょっと、いいか
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