第二十八幕:曇り時々虹!?
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蝉の目覚ましに起された。昨夜は早く布団に入ったが、七夏ちゃんの影の事を考えていたら、なかなか眠れなかった。高月さんは俺に「七夏ちゃんの事をお願いします」と話していた。七夏ちゃんが、俺の滞在期間の事を気にしてくれているとしたら、とても嬉しく思う。だからこそ、いつこの街を離れるかという事を切り出しにくいのだ。その時まで普段どおり一緒に過ごしたいと考える。具体的に帰る日を決めると、その時からカウントダウンが始まってしまう事になる・・・どうすればよいのだろうか?
トントンと扉がなった。
七夏「柚樹さん! おはようございます☆」
七夏ちゃんだ。俺が起きるのが遅いと起しに来てくれるようになった。今日は蝉の声にかき消されて、七夏ちゃんの足音が分からなかった。このまま布団の中に居るとどうなるのだろうか? 七夏ちゃんをあまり困らせてはならないと思いつつ、高月さんの話してた、少しでも一緒に過ごす時間を大切にするという事も考える・・・それ以前に正直、まだ瞼が重たい。
時崎「・・・・・」
七夏「えっと、柚樹さん! 起きてますか?」
時崎「・・・・・」
七夏「柚樹さん! お邪魔してもいいかな?」
時崎「・・・・・」
七夏ちゃん、何か小声で話してるみたいだけど、扉越し、蝉の声、布団の中という三つの壁があって、言葉として認識できない。
七夏「柚樹さん!」
すぐ近くで七夏ちゃんの声がした。
時崎「な、七夏ちゃん!?」
七夏「ひゃっ☆ ごめんなさいっ!」
時崎「いつの間に部屋に入ったの?」
七夏「えっと、今ですけど・・・その・・・柚樹さん、お返事が無いから・・・」
七夏ちゃんは、そっと扉を開けて入って来たようで、全然分からなかった。
時崎「ごめん。ちょっとまだ眠たくて・・・」
七夏「お体の具合が良くないの?」
時崎「それは、大丈夫。ありがとう」
七夏「よかった☆」
時崎「もう少し、休んだら起きるよ!」
七夏「はい☆ 朝食も出来てますから☆」
時崎「ありがとう! 七夏ちゃん、先に食べてていいから。ごめんね」
七夏「いえ。では、また後で☆」
敢えて、いつもと違う事をしてはみたけど、これでは七夏ちゃんに迷惑を掛けるだけだ。喜んでもらう事を考えなければならない。今日は、午後からお泊りのお客さんが来る事になっているから、七夏ちゃんと一緒に過ごせる時間は少なくなると思う。いや、俺も一緒に七夏ちゃんと凪咲さんを手伝えばいいのか・・・そうすれば、七夏ちゃんと一緒に過ごせる事になる。手伝える事があれば・・・だけど。
まだ眠たいけど、そんなにのんびりしてはいられないので、起きて一階へと向かう。直弥さんは、既にお仕事へ出かけているようだ。
時崎「おはようございます!」
七夏「あ
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