暁 〜小説投稿サイト〜
前世の知識があるベル君が竜具で頑張る話
しょっぴんぐ
[3/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

それは銀色に光る物で、箱に押し込められている。

近づいてよく見ると、それはチェストアーマーだった。

同じ箱に、その一式と思われる武具が入っている。

要所にしか装甲のない、不完全な鎧。

でも、軽い。とても軽い。

僕が身に付けても、何ら問題の無い軽さだ。

値段は…9900ヴァリス。

さっきのフルプレートメイルより安い。

リヴェリアさんの口振りから考えて、予算に収まるはず。

「これにしよう」

「きめちゃった?」

後ろからアイズさんの声がした。

「アイズさん!僕この鎧にします!」

鎧の入った木箱を抱えて見せる。

「ハーフプレートアーマー?」

「動きやすそうなので!」

「ベルは軽装が好きなの?」

「重いと動けないじゃないですか」

「(かわいい……)」

さて、リヴェリアさんに報告しないと…

「アイズさん、リヴェリアさんはどこです?」

「呼んでくるから待ってて」

「いえ、自分でいきますよ」

「大丈夫だから、ね?」

アイズさんにわざわざ呼びにいかせるなんて…

「ベルは重い物持ってるんだから」

「重くないです!ちゃんと持てます!」

やっぱり子供扱いされてた!?

「呼んでくる」

「アイズさぁん! ………はぁ…」

結局アイズさんがスタスタと歩いて行った。

少ししてリヴェリアさんとエイナさんと一緒に戻ってきた。

「ベル、決めたのか?」

「はい」

箱を見せるとリヴェリアさんが頷いた。

「いいだろう。この店の中では良い方だ」

厳しいですねリヴェリアさん…

「どれ、鍛冶師の名は………………」

ん?どうしたのだろうか?

「ベル。その鎧はやめておけ」

リヴェリアさんが苦々しい顔で言った。

「どうしてですか?」

「その鍛冶師は、いい噂を聞かない」

その鍛冶師?リヴェリアさんの知ってる人?

鎧を見ると、ヴェルフ・クロッゾと名が彫られていた。

ヴェルフ・クロッゾ……クロッゾ?

何処かで聞いたような……いや、思い違いか。

「ヴェルフ・クロッゾ…悪人か何かですか?」

「悪人……かどうかはわからない。だがクロッゾという名は、あまりいいものではないんだ」

ふぅん…でもこの鎧が一番しっくりくるんだよね。

「でも僕これがいいんです。
罪人の子供には罪が無いのと等しく。
その鍛冶師が悪人でも、作品に罪は無いはずです」

それを聞いたリヴェリアさんは、笑いだした。

「くく…そうだな。確かに、お前の言うとおりだ。
『作品に罪は無い』か。至言だな。うむ。
覚えておくとしよう」

リヴェリアさんの両
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ