しょっぴんぐ
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それは銀色に光る物で、箱に押し込められている。
近づいてよく見ると、それはチェストアーマーだった。
同じ箱に、その一式と思われる武具が入っている。
要所にしか装甲のない、不完全な鎧。
でも、軽い。とても軽い。
僕が身に付けても、何ら問題の無い軽さだ。
値段は…9900ヴァリス。
さっきのフルプレートメイルより安い。
リヴェリアさんの口振りから考えて、予算に収まるはず。
「これにしよう」
「きめちゃった?」
後ろからアイズさんの声がした。
「アイズさん!僕この鎧にします!」
鎧の入った木箱を抱えて見せる。
「ハーフプレートアーマー?」
「動きやすそうなので!」
「ベルは軽装が好きなの?」
「重いと動けないじゃないですか」
「(かわいい……)」
さて、リヴェリアさんに報告しないと…
「アイズさん、リヴェリアさんはどこです?」
「呼んでくるから待ってて」
「いえ、自分でいきますよ」
「大丈夫だから、ね?」
アイズさんにわざわざ呼びにいかせるなんて…
「ベルは重い物持ってるんだから」
「重くないです!ちゃんと持てます!」
やっぱり子供扱いされてた!?
「呼んでくる」
「アイズさぁん! ………はぁ…」
結局アイズさんがスタスタと歩いて行った。
少ししてリヴェリアさんとエイナさんと一緒に戻ってきた。
「ベル、決めたのか?」
「はい」
箱を見せるとリヴェリアさんが頷いた。
「いいだろう。この店の中では良い方だ」
厳しいですねリヴェリアさん…
「どれ、鍛冶師の名は………………」
ん?どうしたのだろうか?
「ベル。その鎧はやめておけ」
リヴェリアさんが苦々しい顔で言った。
「どうしてですか?」
「その鍛冶師は、いい噂を聞かない」
その鍛冶師?リヴェリアさんの知ってる人?
鎧を見ると、ヴェルフ・クロッゾと名が彫られていた。
ヴェルフ・クロッゾ……クロッゾ?
何処かで聞いたような……いや、思い違いか。
「ヴェルフ・クロッゾ…悪人か何かですか?」
「悪人……かどうかはわからない。だがクロッゾという名は、あまりいいものではないんだ」
ふぅん…でもこの鎧が一番しっくりくるんだよね。
「でも僕これがいいんです。
罪人の子供には罪が無いのと等しく。
その鍛冶師が悪人でも、作品に罪は無いはずです」
それを聞いたリヴェリアさんは、笑いだした。
「くく…そうだな。確かに、お前の言うとおりだ。
『作品に罪は無い』か。至言だな。うむ。
覚えておくとしよう」
リヴェリアさんの両
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