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とある3年4組の卑怯者
145 前哨戦
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が来た。
「やあ、藤木君」
「瓜原君」
「皆の演技凄いと思わんか?わいらは片山さんから認められたとはいえ他の皆も手強く感じるで」
「そうだね、僕もそう思うよ」
 佐野の番が訪れた。
「あ、次は佐野君だ。中部大会で銀賞の子だよ。今度は僕より高い評価を貰おうと必死に練習してきたんだって」
「へえ、どんな実力やろ?」
 佐野が練習を始めた。佐野は高速のシットスピンを披露した。それだけではない。トリプルルッツも、トリプルループなどのジャンプの回転も素早く感じた。
「流石佐野君、猛練習してきたんだね・・・」
「あの佐野君って子もなかなかやるわな」
「うん・・・、もしかしたら僕達を超えてしまうかもしれないね・・・」
 藤木と瓜原は佐野へ何らかの威圧感を感じた。
 佐野が滑り終わると、今度は住吉が滑る番となった。
「瓜原君を責めていたあの人だね」
「ああ、あの人も実力としては上の方なんやがな・・・」
 住吉はダブルフリップ、そしてトリプルアクセルを披露した。そして軽快なステップシークエンスを見せていく。
「結構いい技術を見せるじゃないか」
「ああ、だからわいがそれだけ憎いって事なのかもしれんな」
「瓜原君」
「あの人もなかなかの実力や。それほど自分に自信がある。地区大会でも金賞獲ったって聞いたし、自分よりできる奴なんて信じられないんやな。そなワイが近畿大会で金賞を獲った時、それが気に食わなかったんや」
「瓜原君・・・。大丈夫だよ、僕はあの人の実力を認めるよ。だから君を責めるのをやめさせるように頼んでみるよ」
「藤木君・・・、でもそな簡単に行くかな・・・?」
 住吉が滑り終わると、藤木はの元へ向かった。
「あの、住吉さん」
「何やお前は。昨日瓜原を庇った奴か。何か文句あるんか?」
「いえ、文句じゃなくて、一つ言いたいことがあるんです」
「言いたい事やと?」
「はい、先ほどの貴方のスケートの技術に僕も驚きました。貴方の実力は確かです。瓜原君の近畿大会の結果が上だったようでしたが、別に貴方が下手だからというわけじゃないんです。ですから、瓜原君をこれ以上責めないで下さい!お願いします!!」
 藤木は頭を下げた。
「ほう、ほなお前は認めてくれるんか?あの野郎よりもワイの方がスケートは上手いとな。そういう事やろ?」
「う、それはわかりません・・・。どっちが上手いかなんて、でも結果が全てです。誰がいいかなんて審査員が決める事です。僕には何も言えません!!」
「なんやて!?生意気な奴やな!」
 住吉は藤木を殴ろうとした。その時、藤木の背後から・・・。
「おい、そこの君、やめんか!!」
 藤木は振り返ると、そこには片山が立っていた。
「片山さん・・・」
「滋賀県の住吉重彦だったな。自分の実力が一番だと自信過剰になって
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