145 前哨戦
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れまでの練習の成果を見せる時が近づくと思うと、緊張と共に気合が入った。
スケート場に到着すると、そこには美葡が一人の女子と会話していた。昨日美葡に話しかけていた団子ヘアで頭に黄色のリボンを付けている黄花蜜代という少女だった。美匍は藤木の姿を見ると手を振った。
「藤木君、おはよう!!」
「ああ、美匍ちゃん、おはよう」
「今日も一緒に頑張ろうね」
「うん、僕も君応援してるよ」
「あら、桂川さん、その子は?」
「中部大会の金賞者の藤木茂君よ。私の友達の知り合いなの」
「へゑ、初めまして、私は黄花蜜代です。関東大会の銀賞者よ。宜しく」
「僕は藤木。宜しく。君も応援するよ!」
「ゑ?うん、ありがとう。私も藤木君応援しようかな?背が高くて何処かカッコゐゐし!」
「う、うん、僕、頑張るよ!!」
藤木は黄花にカッコいいと言われて照れてしまった。と、その時、後ろから一人の女子が嫌みたっぷりに声をかけてきた。
「はあ〜ん、んな時に敵と仲良くしてるなんてアンタら腐ってるわねん」
「・・・え?」
三人はその女子の方に顔を向けた。
「誰よ?」
「佐賀県から来た九州大会金賞受賞者の進藤幸子よ。私はそんな敵と仲良くしよとは思わんと」
「別にそんなの人の勝手でしょ!?」
「そうだよ、君も突っかかるなよ!」
「ふん、九州はスケートが盛んな場所じゃないから、東日本の人間なんどに私は負けたくないんとよ!絶対にそこの女子二名には超えて見せる結果を出すとよ!」
「そう、こっちも負けないワよ!」
「場所が九州だからって、私達は別に馬鹿にするつもりはなゐけど、仲良くする事が腐ってるだなんて思ゑないわ!」
「ふん、九州の意地見せてやると!」
進藤はそう言ってその場を離れた。
「何よ、失礼しちゃうワね!」
「あの子には負けたくなゐわ!」
「うん、美葡ちゃん、黄花さん、僕は君達が賞を獲れる事を応援するよ!そして一緒に世界大会へ行こう!」
「うん、約束するわ!」
藤木と美葡、黄花の三人は約束を交わした。その時、遠くからその様子を一人の女子が見ていた。
「ふふん、九州だ?うが、関東だ?うが皆この私の実力に驚いて貰うね・・・」
そしてまずは男子のリハーサルが始まった。やがて吉岡の番となった。
(吉岡君か・・・。確か中部大会ではトリプルルッツがシングルになって悔しい思いをしたみたいだったな・・・)
吉岡は持ち味のトリプルルッツを決めた。そして、足換えのシットスピンを12回転決め、トリはまたトリプルルッツで決めた。
(さすがだ、吉岡君・・・)
藤木は吉岡に感心してしまった。しかし、自分も負けるわけにはいかなかった。藤木は後半からの出場のため、最初に出る出場者の様子を控室のモニターで眺めていた。そしてすぐ近くに瓜原
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