堕天使と悪魔
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終わりにしましょう!!」
懸命に叫ぶサクラ。ティオスはその声かけに笑みを浮かべ、スッと立ち上がった。
「サクラ・・・」
「師匠!!」
手招きされたサクラは嬉しそうに駆け寄っていった。大好きな師に再び仲間の大切さを教えることができたと心から信じていた。
「本当、素直で助かるよ」
飛び付こうとしたサクラ。ティオスはそれを受け止めようと―――
「するわけないじゃん」
両手を広げたかと思ったが、その腹部に水を纏った拳を突き立てた。
「ゴホッ!!」
予期せぬ衝撃に吐き出しそうになるサクラ。彼女は倒れそうになりながら、青年の顔を見上げる。
「よかったな、師匠の魔法に倒させてもらって・・・」
「あなた・・・シリル先輩じゃない?」
絶望に満ちた顔つきのサクラの首もとにチョップを入れるティオス。地面に叩き付けられた彼女はそのまま気を失った。
「半分正解。いや、もうちょい低いか?」
クスッと笑ってみせるティオスの姿を見てカグラとミネルバは憤りを露にしていた。
「貴様・・・どこまで墜ちれば気が済むのだ」
「仲間の信頼を利用するなど最低だ!!」
改心したフリをしてサクラを引き寄せ、油断した彼女に危害を加える。かつての彼を知る二人からすればそれはあまりにも卑劣な行為だった。
「ねぇ・・・今のどういうこと?」
そんな中、ラウルはあることが引っ掛かっていた。それは倒れる前のサクラが言っていたある言葉。
「シリル先輩って・・・何?」
「「!?」」
彼の言葉でカグラもミネルバもようやく気が付いた。サクラはずっとティオスを師匠と呼んでいた。だが、彼女の師匠は当時蛇姫の鱗に所属していたシリルであり、レオンではない。それなのになぜかサクラはずっとティオスを師匠と呼び続けていたのだ。
「レオンはレオンでしょ!?どういうことなの!?」
意味がわからず問い掛けることしかできないラウル。それにティオスは楽しそうに答えた。
「さぁ?ただ、一つだけ言えることは・・・」
三人の視界から消え去るティオス。彼が姿を現したのは、ラウルの真後ろ。
「俺はもうお前たちの知る俺ではないということだ」
ラウルを黒い氷で凍結させる。すると再び瞬間移動した彼はカグラとミネルバの目の前に現れた。
「速・・・」
「いかん!!これは・・・」
油断があったわけではない。警戒はしていたつもりだった。それなのに、ティオスの動きはあまりにも速く・・・
「もう眠れ、カグラ、ミネルバ」
二人が避けるよりも先にその土手っ腹に穴を空けた。
「すまん・・・スティング・・・」
「姉さん・・・」
意識を失い地面へと落ちた二人。動けなくなった四
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