斬月編・バロン編リメイク
あなたを傷つけたくなくて side咲
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貴虎だ。
するとイドゥンは斜め後ろにふり向かないまま手をかざした。手の向こうに開いたのは、クラック。
イドゥンがクラックに飛び込むと、クラックはあっというまに閉じた。
「襲われたのか」
『うん。でも逃げられた』
光実がロックシードを施錠し、変身を解いた。
「襲撃者の人相は見たか?」
「いいや。変身してたから。ただ、誰かっていうのは分かったよ」
そこで貴虎は暗い顔をして俯いた。
「その襲撃者というのは、もしかして――」
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