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機械の夢
第01部「始動」
第05話
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座って、何時でも一緒に居たい。
 テンカワ・アキト…テンカワ…テンカワ……テンカワ・アキト…アキト、アキト、アキト、アキト。
 私はアキトの目。アキトの耳、アキトの手、アキトの足。私はアキトの…
「いや、それは違う」
「アキト?」
 …何で?何時もなら嬉しいアキト。でも、今日は何か違う。何時ものアキトじゃない。
「ラピス。お前はお前の物。俺の物なんかじゃ無い」
「どうしたのアキト?」
 アキトの心が解らない。何だろうこの感覚?
「俺はお前に慕われるような奴じゃ無い。逆に憎まれるべきなんだ」
「にくむ?」
 憎む…違う。私はアキトが好き。
「俺は復讐者だ。そして強奪者でもある…自分の都合で色々な物を奪った…お前の未来もその一つだ」
「うばう?」
 奪う…違う。私はアキトに一杯貰った。
「ラピス…今まで有難う。本当に感謝-自責-している」
 感謝?それは私の方。アキトに私は感謝してる。
「ナノマシンによる共感…ラピスには負担を掛けたな。だが、それも今日までだ」
「アキト?」
 怖い…そうだ。怖い。何時もアキトが守ってくれた。これが怖い。
「さぁ…眠るんだラピス。起きれば自由になっている」
「アキ…ト……」
 背中に寒気を感じながら意識が途切れる。アキト……アキト、アキト、アキト。忘れない。あの時私は生まれた。アキトが私を生んでくれた。
       ………
 どのくらい時間が経ったんだろう。
 体内でナノマシンが活動している。目は開かない…けど分かる。アキト?リンクを通じてアキトが流れ込んでる。
「彼かい?テンカワく―――誰だいそれ?それよりも、今日は何が食べたいんだい?」
 アキト。
「名前か、そうだな…ラピス…ラピス・ラズリって言うのはど―――修正―ラピス・ラズリ。貴女はラピス・ラズリよ」
 ラピス…私はラピス・ラズリ。あれ…?
「貴女は    とナノマシンで彼と―――封」
 私は……
「この二年、良く頑張ったね。これで君も学校に通うことが出来るよ。まぁ軍学校だけどね」
 アキ――…ナから名前を貰って二年……私は勉強してた。勉強…勉強…………何を?
「また、何をしたんですかマスター――――修正――マスターラピス?今日は精密性に欠けてますよ?もう少しで軍のオペレーター科に行かれるのですから、もう少し緊張感を持って…」
 そう船。私はラムダと一緒にオペレーターの――――何故?
「すまないね…君に罪は無いんだ。でも、君は選ばないといけない…彼―――修正―――君はMCだ。君の能力は僕たちが及ばない所にある。だから、君が安全である事を証明しないといけないんだ。だから船に乗って――――オペレーターの経験を積んで貰いたい。きっと彼――女もそれを……」
 意識が白む。なんだったんだろ…大事な大事な何か
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