ペルソナ3
2050話
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「へぇ……ここが寮なんだ。随分と物騒だね」
影のゲートを使って巌戸台分寮の前に転移が完了し、最初に望月の口から出た言葉がそれだった。
この台詞を聞く限り、もしかして今まで巌戸台分寮にやって来た事がないのか?
有里や順平とはかなり仲が良かったのを思えば、てっきり遊びに来た事があったと思っていたんだが。
それとも、今日の影時間になって初めて自分の事を思い出したって話だったのを考えると、それを思い出したからからこそ、この寮が危険だと判断した……という可能性もあるのか。
「まぁ、物騒とかそういうのは関係なく、今の状況を考えれば、まさか望月をその辺の適当な場所に連れていく訳にもいかないだろ」
「ははは。そうかもしれないね。じゃあ、早速話をしようか。皆、僕に色々と聞きたい事があるようだし。……それに、アイギスについても話す必要はあるだろうしね」
そう言って望月の視線は影のゲートで一緒に転移してきた、アイギス……正確には、フリーズして身動きをしないアイギスを眺めつつ、そう告げる。
アイギスを見る目には悲しみが宿っており、望月とアイギスの戦いは決して望月が望んだものではなかった……という事を示している。
もっとも、それでも望月がアイギスを攻撃したのは、紛れもない事実なのだが。
他の皆もそれに異論はなく……取りあえずアイギスを寮の中に運び込むのと同時に、俺達も全員が寮の中に入るのだった。
「さて、それで……何から言えばいいのかな?」
巌戸台分寮の、リビング。
いつも俺達が来た時に集まっている場所で、それぞれがソファに座ったり、壁に寄りかかったりといった風にしながらも、望月が尋ねてくる。
この場には、先程は現場にいなかった山岸やチドリを含め、全てのペルソナ使いが集まっている。……もっとも、全てというのはあくまでも俺達の側の勢力という意味であって、タカヤとジン。それに他にまだいるのかどうかは分からないが、それ以外のペルソナ使いも、どこにもいないのだが。
そんな状況で、最初に口を開いたのはS.E.E.Sのリーダーをしている美鶴だった。
「ふむ、そうだな。では……君が何者なのか、というところからにしようか。影時間にこうして動いている以上、まさかただの一般人、なんて事は言わないな?」
「勿論。……僕は君達がシャドウと呼んでいる者。正確には、12のアルカナ全てが混じって生まれた、宣告者。シャドウよりも1歩先の存在と言ってもいい」
「12のアルカナ、だと?」
12のアルカナという言葉に反応したのは、美鶴だけではない。
12。それは俺達にとって、大きな意味を持つ言葉だった。
「そう。君達にも僕が何を言ってるのかは、分かるよね?」
「……イレギュラーシャドウ。4月から、満月に
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