第42話 ルビンスキーの恐怖
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けルビンスキー。
「ボルテック、慌てるな、細評は判るのか?」
「未だ第一報ですので、追々ジリコフスキー弁務官から報告が有るかと」
「判った、ボルテック、報告が有ったら知らせるのだ」
「はい」
ボルテックが部屋を出て行った後でルビンスキーは一人ブランディーの入ったグラスを手に持ち考えるのである。
今、シトレとロボスが死ねば、喜ぶのはトリューニヒトか、彼奴が自ら手を汚すとは思えん、まあ犯人も未だ判らない以上推測にもならんな。事件をどう利用するか、フフフ、ルビンスキーよ益々面白いではないか。しかし、次の本部長と司令長官は誰に成るかで、同盟の帝国に対する戦略が変わるな。
捕虜交換までは、大人しくするであろうが、その後は人事に因っては再攻勢の可能性が出てくるか、此は続報を得ないと駄目だな。
帝国暦483年10月11日昼過ぎ
■フェザーン自治領 自治領主オフィス アドリアン・ルビンスキー
ボルテックが続報を持って来た、普段であれば俺に連絡到着後30分おいて届くように細工しているが今回ばかりはその様な面倒くさい事は止めた。
「自治領主閣下、続報が入りました」
「そうか、でどうなった」
「はい、シトレ、ロボス、ヤンが意識不明の重体だそうです。又犯人はアンドリュー・フォーク中尉だそうです」
「フォークだと」
まさか、フォークとは何があった?俺は何も指示していない。
「自治領主閣下、フォークとはあのフォークの事です」
「なるほど、ヒステリーと聞いていたので、それが生じたか」
「如何でありましょうか?」
ボルテック不思議そうな顔をする、俺とて多少なりとも困惑しているのだからな。
「判った、続報が有れば伝えてくれ」
その後続報はなく、疲れた体を休めるために自宅へ帰ると、ドミニクが待っていた。
「お帰りなさい、珍しくも随分と疲れたみたいね」
「俺とて、疲れるときぐらいはある」
「ふーん、テロをして疲れたのかしら」
ドミニク、もう知っているのか。
「アレは、俺ではない」
「あらそう、でも世間ではきっと貴方が糸を引いたと思われているわよ」
「今の時点で同盟を弱体化させるのは良策では無い」
「あら、帝国が動けない状態なら、いいんじゃない?」
ドミニク、そうではないのだ、シトレ、ロボスが斃れたあとで後継者が問題なのだよ。
「そうはいかんよ、俺の計画に狂いが生じる」
「そんなものなのかしらね」
しかし、フォークの事はどう成って居るんだ?単なる単独犯で有れば判るが。
「謀略とはそう言う物だ」
「ふーん」
帝国暦483年10月15日
■フェザーン自治領 自治領主オフィス アドリアン・ルビンスキー
同盟で血のウエディング事件と称された事件
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