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妖精の尻尾所属の戦闘民族(旧)
第13話 師匠の役目
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目見る時にはよく見慣れた光景だったりした。

…だが、人を信じ、想うあの人と同じなところはちゃんとあった。

びっくりした時に口を手で覆うその仕草も、仲間を助けようとするその意思も。

だから、私は彼の力が――彼が必要なのだ。

戦力的にも、そして私のためにも…


これは私のエゴなのは知っている。私が彼を求めるのはお門違いもいいところだろう。


貴方は、”アースランドにオレが居たら、頼ってくれ”と言ったのは力のことだろうけど、私は私のために、彼を必要とする心のほうが大きいみたいで


やっぱり私は、貴方のことが誰よりも必要だと、思ってしまうのです――先生。






◆◆◆◆◆◆




「それで、貴方は私に協力してくれないか」

「…え?」

問いかける青髪の少女――ジェラールにレッドは間抜けな声を出す。

だがジェラールはそこを指摘すること無く、彼の返事を待つように見つめるだけ。

彼女の中には様々な感情がせめぎ合っている。

果たして彼を、私は求めてもいいのだろうか?先生と重ねては失礼なのに、このまま先生の代わりとして求めてはいけないのに。

先生が言ったから私は彼に協力を仰いでいるのか?いや違う、私のエゴで求めているから頼んたのではないか。

その様に、彼女の中には迷いがある。未練と言ってもいいものを抱え込んでいる彼女は目の前の青年に重ねている別の世界の彼に対してこれでは失礼だと、これはただの我儘だと言って自身に憎悪感を上げる。

戦力的なら頼りになる。まだ平行世界の彼とは違うが、それでも十分にも力になってくれる。

なら戦力的にも協力を求めるのは間違っていないことはない。

それでも…気持ち的には整理出来ないのが、今まで師弟関係を結んでいたであろうジェラールには難しいこと。

だがその気持ちは収まる。何故ならもう目の前の青年は答えを決めていたし、なによりもやはり同じ存在だからか――


「勿論、協力するぜ。同じギルドの仲間だし…あー…そっちのオレとは師弟関係だったんだろ?オレはジェラールの知っているオレとは違うと想うけど…まぁ弟子に手を差し伸べるのが師匠の役目だしな」

そう、彼は弟子を助ける。

弟子が危ない状況であったり、手助けを求めているのならそれに手を差し伸べるのが師匠の役目。
大切な弟子のために人肌を脱ぐのも、当然の行為だから――


だから彼女の中には協力する理由の言葉を聞いたときには、もう迷いがなくなったのだ。



(ああ、やはり貴方は…どこの世界でも貴方(先生)なんですか…?)


(先生…私に手を差し伸べるのは、いつも…そう、いつ
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