暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第158話「八将覚醒」
[10/10]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
薔薇姫……どうして片方がデバイスなのかは気になるけど……私は草柳鈴よ。聞き覚えはあるでしょう?」

「鈴……もしかして、鵺の時の……」

「ええ。この度、記憶を持って生まれ変わったわ。……あの子を止めるために」

 その言葉で、鈴と悪路王がなぜここにいるのか、二人は理解した。

「……今のとこよの……大門の守護者の力は神に匹敵するわ。勝てるの?」

「勝てる……なんて、口が裂けても言えないわ。でも、そちらにはまだ手があるのでしょう?」

「……一応ね。保険となる存在はいるし、最善とは言えないけど手はあるわ」

「なら、その時間稼ぎだけでも私は構わないわ。……ただ黙って見てられないもの」

「そう……」

 椿に、今の鈴を止める理由はなかった。
 また、悠長な事をしている場合ではないため、引き留める事もなく会話を終わらせる。

「じゃあ、先に行きなさい。私は彼を起こしてから行くから」

「ええ。……知った顔にまた会えて嬉しかったわ」

 そう言って鈴は先に京都へと向かった。

「……最後の会話みたいに言ってるんじゃないわよ」

「あれは、捨て身で行くつもりだね……」

 別れの言葉のように言った鈴に向け、椿と葵は思わずそう呟く。

「……悪路王、ついて行かなくてもいいのかしら?」

「すぐに向かう。だが、貴様らに一つ聞いておきたい事があってな。……“憑依”の術は使わないのか?」

 少し残った悪路王は、椿達に向けてそう聞いてくる。

「……いえ、術式はともかく、環境の問題で使ってなかったわ。でも……」

 “今の状況なら”と椿はそこまで考えて、ふと思い当たる。

「どうして、そんな事を?」

「なに、少しばかり予感がしてな。手段として取っておくといい」

「……?」

「ではな」

 悪路王自身も、確信があって言った訳じゃなく、そのまま京都へと向かっていった。
 残された二人は、どういうことなのかと、首を傾げた。












[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ