第5章:幽世と魔導師
第158話「八将覚醒」
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単純な事だ。
「ァ……ァ……」
「終わりよ」
―――“神槍”
―――“神撃”
心臓を瘴気ごと貫かれた所を、再度霊術で束縛。
トドメとばかりに、瘴気ごと聖属性の霊術で完全に仕留めた。
「……ふぅ……」
それは、あっけないなまでに早い決着だった。
あれだけ苦戦していたのもあって、椿も思わず溜息を吐く。
「かやちゃぁあああん!!」
「っ……!」
ドッ!
そんな椿へ、葵は思わず抱き着こうとし、椿も思わず矢で迎撃してしまう。
「あ……」
「無事で良かったよー!」
「……そうだったわね。あんたは、そういう奴だったわね……」
頭に刺さってもお構いなしに、葵はそのまま抱き着く。
それを見て、力が抜けるように椿は安心し、二度目の溜息を吐いた。
「とにかく、治療を……って、あら?」
「うん?これって……」
葵の傷を治そうとして、二人は葵に流れ込む力に気づく。
「……そっか。“薔薇姫”という器が倒されたから、改めてあたしに還元されてるんだ。今まではユニゾンデバイスとしての存在だったけど、これで式姫に戻るんだね」
「そういうこと。……というか、何気に今まで厳密には式姫ではなかったのね」
「まぁ、今更だね」
「そうね」
何とか窮地を乗り越え、少しばかり気が緩む二人。
だが、強化されただけあって、周囲の警戒は十分だった。
「……ところで」
「そろそろ出てきてもいいんじゃないかしら?」
そう。既に、二人は近くにいる気配を感じ取っていたのだ。
「ばれたわね」
『そのようだな。まぁ、八将覚醒をしたのだ。わかってもらわなければな』
そして、近くの茂みから気配の主が現れる。
「……陰陽師、それと妖の気配」
「後、デバイスもあるみたいだね」
だが、敵意はなく、だからこそ椿と葵は警戒はそのままに冷静に分析した。
〈あちゃぁ、どうやらボクも気づかれたみたい〉
「意外ね。今まで気づかれなかったのに」
〈デバイス同士なら気づけるよ。実際、夜中に遭遇した魔導師のデバイスも気づいてたんだし〉
「ふーん。それにしても、式姫と同じ姿のデバイス?どうなってるの?」
そして、気配の主……鈴も、敵意はないと見てデバイスのマーリンと軽口を交える。
「貴女たちは……いえ、その前にこの気配は……悪路王!」
「ふむ、お前たちが相手なら吾も姿を現して良いだろう」
「やっぱり……どうして、貴方がここに?」
椿が感じていた妖の気配の主、悪路王も姿を現す。
「目的が合致している。とだけ言っておこう」
「久しぶりね、かやのひめと
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