暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜 IF
第13話 鬼畜王戦争の記憶V
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
もりをくれた。………でも、ユーリ。あなたがいなくなって、わたしの心が、また氷初めてしまった。……………お願い。戻って、きて。世界のどこにも……ユーリがいない事だけは、わたしは耐えられそうにない、から』

 
 ウスピラも騒然な人生を歩んできた。事業に失敗した両親が一家心中した時が始まりであり、彼女だけが生き残る。だが、そこからが生き地獄だと言って良いだろう。借金をカタに売られ、当時のゼス長官の元へと所属する事になった。……愛玩動物も同然の扱いだった。そんな絶望の中でも、学業を続け 優秀な成績を残し続けていたが、当時は腐敗していたゼス。毎日の様に慰み者にされ続けていた。
 そんな地獄から助けてくれたのがユーリと言う冒険者だった。ゼス長官の実態が表立った事もあり、元々容姿端麗、成績優秀だったウスピラへの同情が集まって辞任に追い込まれ、復讐をしようとユーリに襲い掛かって、そして返り討ちにあった。
 その日から、ウスピラは一日たりとも忘れた事がない。ユーリと言う男のことを。



 そして JAPAN組の五十六と香姫。

 かつてのJAPANの戦国の世を統一。ランスと共に平和へと導いてくれた英雄の1人であるユーリ。香姫は兄と慕い……、五十六にとっては、足利から弟を守ってくれた人。そして 愛する人。……子を授けてくれた人だった。

『ユーリ殿……。私もあなたがそうだと、間違いないと、思っています。勇義も立派に……ユーリ殿に似て逞しく、賢く、立派な男子へと成長致しました。だけど……私の心の中には、まだ大きな穴があるのです。……貴方が、この世界にいないのだと言われたその瞬間から、大きな穴が出来てしまってました。……そして、貴方を見た時から、その心の穴が塞がっていくのを感じます。……間違いないとわたしの中でわたしが叫んでいるのです』

 五十六の横に立つ香姫。
 同じくJAPANの戦国時代において、ユーリと共に戦い続けた織田家の姫にして、現国主。あの血で血を洗う争いを止めてくれたのがユーリとランスだった。そして、何よりもユーリと言う人は、今は亡き香姫の兄……信長に誓ってくれた筈だった。

『ユーリ兄様。覚えてますか……? 私の兄……信長兄様の前で誓ってくれた事。家族を、兄に変わって見守り続けると。必ず、守ると、言ってくださいました。私は今でもはっきり覚えています。忘れません。忘れることなんて、できません。……私は、まだ ユーリ兄様と離れたくありません。……ずっと、ずっと傍にいて欲しいって思うのが私の心からの願いです。……私の我儘、です。もっともっと我儘を言って良いと、ランス兄様も、ユーリ兄様も、我儘を言って良いと言ってくれました。ですから、言わせてください。……戻ってきてください』 



 語っても語っても、尽きる事などはない。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ