第13話 鬼畜王戦争の記憶V
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、彼女たち以外にも沢山いる事だろう。……彼の帰還を待っている者達は。
『ったく、いったい いつまでほっつき歩くつもりなんだいユーリ。……大体そんな強いオーラ出す様なヤツを、魔法を斬っちまう様なヤツを、魔人を それも二体だよ? それを一蹴する様なヤツを、他と間違える訳ないだろ? お前以外にいる訳ないだろ? ……お前はユーリなんだ。……理由は判らないが、今は 『ゾロ』って人格になってるって感じだけど、それは乗っ取られてんのか? ……いや 若しくは記憶自体が今飛んでんのか? まぁ 何でも良いけどね。判ってんのは、絶対に治してやるって事だけだ、だから一度戻ってきな!』
『ユーリ様……。私は、あのヘルマンの革命の時。……いえ、それ以前初めてお会いしたあのマルグリット迷宮での時。……貴方に救ってもらったあの時から今日まで、片時も忘れた事はありません。会えなくなって、本当に辛かったです。会えない時も、いつもいつも、私は貴方を想っていました。貴方の傍を、離れたくなかった……。もう一度、頭を撫でて欲しかった……。大丈夫だと、言ってほしかった。だから、だからお願いします。どうか、どうか……』
ゾロからの返答はない。4人の想いに更に乗せる形でここに降り立った人物がいた。
それはこの場で唯一の人外――悪魔フェリス。
且てユーリが契約し、使役した悪魔。そして、そんな主従関係などはない。対等であり、親友であり、互いにとって、かけがえの無い存在だ。何よりも、フェリスもこの場の皆にも負けない程――、ユーリを愛しているから。
『ユーリ。……ダークランスはお前の事を兄だと慕っていたのは知っているだろう。……わたしの息子は、アンタの事をずっと探していた。身体がボロボロになっても、精神が崩れても、戦えない身体になっても、ずっとずっとアンタの背を探し続けた。………私だって同じだ。ユーリの事を、探し続けた。……ようやくわたしが会えた。もう、帰ってきてくれ。アイツには………、わたしには、わたし達にはお前が必要なんだ。もう、何処にも行かないでくれ……っ。頼む……。わたしの3つの願い。わたしが 悪魔に願うとすれば、お前だけ、なんだ。それ以外に、いらない……。3つとも、全部お前に使う……っ』
涙が等しく流れる。突如いなくなり……そして息子のダークランスの暴走を止めた時でさえ、涙をこらえる事が出来たのに、今だけは我慢できず流れた。
魔法大国ゼス、四将軍の1人。氷軍の将軍ウスピラ・真冬。
『………私に、心をくれたのが、ユーリ。貴方……だった。ずっと――絶望してた。将軍の大役を担ってきたのも、ずっと誤魔化し続けてた。戦ってる内は忘れる事が、出来ていた。………わたしは心の何処かでは自分は幸せになんかなってはいけないと思ってた。そんな私に、温
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