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ランス 〜another story〜 IF
第13話 鬼畜王戦争の記憶V
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が その辺りは判ってもらいたい。……先程の様に、いつも危険な時にしか駆けつけられないのは、悪いと思っているが。いや、駆けつけられてない時もあることを踏まえても……すまないな。人類の危機だと言うのに』

 その顔半分がマスクで覆われており、表情は見る事は出来ないが、それでも 申し訳ない、と落としているのは判る。判るからこそ、本当の事を言っているのだとも思えてしまうのだ。

『それが望みなのであれば、現時点で叶える事は出来ない。私は戦いには、協力する。……が常に行動を共にいる事は出来ない』
『ッ……』
『それと、思い出す、と言うのは一体何のことだろうか。ミラクルの様に、お前達も私を誰かと勘違いをしているだけなのではないか?』


 その言葉を訊いた瞬間に、志津香が更に前に出た。
 表情を隠す様に帽子を深くかぶっていたのだが、それを脱ぎ去って、ゾロを正面から見た。
 そして、志津香だけではない。
 共に此処に来た かなみやヒトミ、シーラ、ハンティ、フェリス、香、五十六、ウスピラ……。

 此処に来る事が出来た者。間に合った者全員が前に出た。


『勘違いなんかじゃないっ! 思い出して!! アンタは………っ、アンタは……』


 志津香の目からは大粒の涙が零れ落ちており、それが志津香の勢いによって宙へと舞った。舞うと同時に、その名を口にする。……男の名を。且ての人類の英雄の1人の名を。



『ユーリ。……アンタは、ユーリ・ローランド! ………ゆぅっ!!』



 それが、その名を呼んだ瞬間が合図だった。弾かれる様に皆が動き出した。

『ユーリ、おにいちゃんっっ! もどってきてよっ、お兄ちゃんなんでしょ? ぜったい、ぜったい……。わたし、わたしにはわかるんだからっ!! 私がおにいちゃんの事、間違える筈ないもん! ず、ずっと ずっと会いたかった。会いたかったんだからっっ!! うわぁぁん おにいちゃんっっ!!』

 ヒトミがゾロの所へと駆け出し、しがみ付いて泣き出す。マスクを着けている為、表情は読み取れないゾロだが、言葉を発する事もなく、ヒトミのしがみ付かれたまま、だった。
 そして、次にヒトミの傍にいて、同じく涙を流しているのは かなみだ。彼女は抱き着いたりはしなかったが、その場で身体を震わせていた。

『ユーリ、さん……。なんですよね。ユーリさん、ですよねっ!? 戻ってきてくださいお願いしますっ。わたし、わたし あなたがいないと……わたしっ……。みんなみんな、待ってるんですっ。ウズメも、ユーリさんの事を……帰りをずっとずっと待っているんです』

 続いて、ハンティとシーラもだった。順番待ちをする……なんて余裕はない。想いの丈をぶつける為に、今 集まれる者だけの全員が、此処に集ったのだから。いや
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