第13話 鬼畜王戦争の記憶V
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異世界に真っ先に飛び込んだ志津香は周囲を確認した。
そこは広大な世界。
そして遠くに見える大きな大きな生物らしきものがいた。
且て第二次魔人戦争にて 討伐した鬼の魔人バボラよりも、一回りは大きな生物が、非常にゆっくりとした速度で動いていた。
『ここは……』
『うむ。スロージャイアントだ。此処であれば、あの生物以外おらぬ故、危険はなく、他のモンスターの邪魔もない。あの場所にいるのであれば、こちらに来たがっていたとしても、この距離では早くて一日は掛かるからな。寂しく、つまらぬ場所ではあるが、元々無害に加えて、他に危険分子もおらぬ最適な場所だ。腰を据えてじっくり話すのであれば』
この場所は現在の大陸とは全く違う世界…… その名も異世界 スロージャイアント。
名は、この世界を発見したミラクルが付けたものであり、この広大な世界にただの巨人1人しか存在しなく、目的もなく、存在意義さえわからない。更に言えば知能も極端に低いからか本能のみで動いているのだ。
傍から見れば悲しい生物……と写るだろう。死にもせず、普通なら生物であれば食事をし、睡眠をとり……、少なからず欲と言うものが存在する筈、それが一般的な常識だった。少なくとも、自分達の世界ではそれが当然だった。
だが、この巨人には何もない。死にもしない。ただそこにいるだけだった。そして解き思い出したかの様に歩き回るだけで、それだけで完結した世界だ。
『……………』
一番先に、この世界に到達していたマスク・ド・ゾロは あの巨人をただ眺めていた。志津香やミラクル、そして続けざまにかなみやヒトミ、シーラにハンティ、フェリス、香と続々とこの世界へと来る。ゲートの開く独特の音がなり止む事は無かった。
『マスターオブネメシス。この光景、懐かしくはないか? くくく。もう10年以上昔だが、主を含め、皆に見せてやったであろう。サウスモールに連れて行っても良かったのだが、如何せんあちらはモンスターが厄介だからな。話し合いには不向きだ』
ミラクルは、ゾロがあの男であることを大前提に話しを進めた。
これで、自然に会話に加わろう物なら、最早確定。最初の鎌掛け、と言った所だろうか。……いや、生半可な言葉は捨て、直球を選んだとも言える。
ゾロは、巨人を眺めながらも ミラクルの言葉に耳を傾けていた様でゆっくりとした動きで振り向いた。
『ふむ。懐かしい……とは思えぬな。私にとっては見慣れぬ光景だ。……どうやら元居た世界からかけ離れている様だ。ミラクル・トー。私はこの世界を知らない。お前達は誰と勘違いしているのかは知らぬが、ここは初めて来た。故に、少々戸惑っていただけだ。……さて、ここに連れてきた目的を、教えてもらえないか』
ゾロの答えは、此処に集っ
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