斬月編・バロン編リメイク
男たちの今昔物語
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てて、見たことないアーマードライダーだった。そいつ、チームのリーダーに伝えろって。『シャプールを連れて来い』とかなんとか……》
戒斗が碧沙の視線に気づいた。ただならぬものを察したのか、彼は黄色いスマートホンを取り上げた。
「ペコか? 何があった」
碧沙の位置からは電話の向こうのペコの声は聞こえない。碧沙はじれったさを我慢して待った。
やがて戒斗は通話を終えて、スマートホンを碧沙に突き返した。
「ペコさんはだいじょうぶでしたか? ほかのチームバロンの人たちは?」
「死者は出ていない。全員、重傷らしいがな」
「――襲ってきたアーマードライダーって、昨日の執事さん、ですよね」
咲と同じドラゴンフルーツの鎧を纏いながら、咲とは正反対の悪行を成す男――アルフレッド。
思い出すと、胸の奥から何かが焦げたにおいがする気がした。
「ザックさんは応戦しなかった……わけ、ないですね。あれ? じゃあペコさんが駆紋さんに連絡したのって――」
仮に、ザックが変身してアルフレッドを退けたなら、戒斗にそれを知らせる人間は現リーダーであるザックのほうがしっくりくる。しかし、ペコが電話してきた。そして戒斗は「全員が重傷」と言った。
思案を断って碧沙が顔を上げた時、戒斗はすでに階段を半分登っていた。
「駆紋さん! わたしも――」
「断る。お前が戦場でできることは何もない」
それは、いつもわきまえていても、あえて言語化されるとダメージの高い言葉だった。
そして、いつもわきまえているから、碧沙は迅速に立ち直ることができた。
「べつに駆紋さんの許可はいりません。勝手にする、って最初に言いました。だから今度も勝手にひっついて行っちゃいます」
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