斬月編・バロン編リメイク
男たちの今昔物語
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れる人なんて、一人もいないじゃないか!」
「――だいじょうぶですよ。シャプールさん」
碧沙は今度こそシャプールの手を取り、上下から包み込んだ。
「なにもひとりで巨大な敵に立ち向かえって言ってるわけじゃないです。きっと、絶対、シャプールさんの助けになりたいと思ってる人はいます。いると思います。わたしにとってのリトルスターマインみたいに。たとえば今は――わたしと、駆紋さんとか」
戒斗に睨まれたが、これについて間違ったことは言っていないつもりだ。だから碧沙は笑顔を崩さなかった。
「話は全て聞かせてもらったわ!」
カーディーラーに反響した大仰な声。
碧沙はイスを降りてシャプールのそばに立ち、戒斗が二人より前に出て身構えた。
(ほらやっぱり。駆紋さん、表向きはイヤそうに見せて、とっさにシャプールさんをこうして庇ってる。ちゃんと助けてくれてる)
外へ繋がる階段から降りてきたのは、凰蓮である。凰蓮は無駄にアクロバティックに踊り場からこちらまでジャンプして着地を決めた。
「雇い主がどうしてムッシュ・バナーヌを捕まえろなんてワテクシに依頼したか疑問だったけど、ようやく事のカラクリが分かったわ。雇い主の本命はそこのそっくりさんだったのね」
認めるのは悔しいが、アルフレッドの人選は的確だ。凰蓮であれば戒斗の人相を知っていて、同じ人相のシャプールを探すにはうってつけ。そして、標的がアーマードライダーでない以上、先に受けた貴虎の「アーマードライダー拿捕」の依頼とはブッキングしない。
(おちつくのよ、わたし。これはピンチじゃなくてチャンス。がんばれ、こわがっちゃだめ。咲はふだん、もっともっとこわい場所に立ってるんだから!)
「事情をごぞんじになったんでしたら話は速いです。凰蓮さん。シャプールさんを保護してください」
「え!?」
「は?」
「Pardon?」
「これで凰蓮さんはシャプールさんを『捕まえた』ことになって、依頼達成です。ただ、シャプールさんを引き渡すまでにちょっと時間がかかった。そのちょっと時間に、たまたまわたしたちと駆紋さんが執事さんをやっつけてしまった。これでだれも困りません」
戒斗が文句を口にするより早く。
碧沙が持つスマートホンに着信があった。碧沙は背を向けて電話に出た。
《もしもし、咲ちゃん!? ペコだけど、近くに戒斗さんいない!? 戒斗さんに電話かけても出てくれなくて! 最後に一緒にいたの咲ちゃんだよね!?》
「え、えっと、はい。すぐそこにいますけど。ペコさん、何かあったんですか?」
《俺たちの、バロンのステージを、アーマードライダーに襲われたんだッ!》
碧沙は反射的に戒斗を顧みた。
《咲ちゃんのドラゴンフルーツそっくりの格好で、でも弓持っ
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