ペルソナ3
2049話
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は、間違いなく俺の知っている望月だ。
そして、俺に対する敵意や悪意も持っていない。
それは分かっているのだが……それでも、俺の中にある念動力は、望月を危険な対象だと判断しているのだ。
これは……一体何がどうなってこうなったんだ?
「悲しい、か。この影時間に自由に動き回っていて、その上でアイギスと戦い、かすり傷も負わないで倒す。……影時間について、色々と詳しい事を知ってそうだな」
「そうだね。僕は影時間について色々と知っているさ。……より正確には、思い出したという方が正しいんだろうけど」
「思い出した?」
「ああ。昨日まで……いや、今日の影時間が始まるまでは、本当に僕は影時間やデスについて何も知らなかったんだ。それが、影時間になって思い出したのさ」
デス? 直訳すれば死だが、この状況でそんな単語が出て来たのは、厄介極まりない。
「その辺りの詳しい説明を、聞かせて貰おうか」
「ああ、僕もそのつもりだよ。けど……同じ説明を何度もするのも面倒だし、どうせなら皆が一緒の場所で話したいんだ。それに、彼も来たみたいだしね」
そう言い、嬉しそうに笑みを浮かべる望月。
その視線の先には、グリに乗ってこっちに近づいてくる有里達の姿があった。
望月の言う彼というのは、間違いなく有里の事だろう。
望月は、有里にかなり懐いていたしな。
それこそ、アイギスがそれを邪魔したり、恋人の山岸が複雑な表情を浮かべるくらいには。
「……まぁ、そっちの方がいいか」
実際、今この場で望月の話を聞いていても、途中でグリがここに到着するのは、ほぼ間違いない。
そうなれば、当然のように有里達も最初から話を聞きたくなる筈だ。
そうなれば、当然のようにもう1度最初から話す事になり……その辺りの事情を考えると、やはりここで待っていた方がいい。
別に10分も20分もここで待っていろという訳ではない。
グリの姿が見えている以上、ここで待つのは数分と掛からないのは間違いないのだから。
もっとも、その数分であっても今の状況で無駄にするという訳にはいかない。
有里達がやって来るまでに、多少であっても情報収集をするべきと考え、口を開く。
「お前が月光館学園に転入してきたのは、やっぱり有里をどうにかする為だったのか?」
「まさか。そんな事は考えていないよ。ただ、彼と一緒に楽しい学校生活を楽しみたいだけさ」
楽しい学校生活を楽しみたい。
それでだけであれば、正直なところ俺が月光館学園に転入したのと、そう変わらない理由となる。
「そうか」
「あれ、それだけなのかい? てっきり、嘘だ! とか言って信じて貰えないんだとばかり思っていたのに」
「俺も、お前の気持ちは理解出来るからな。高校生活という意味で、
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