ペルソナ3
2049話
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望月。
そう、間違いなく現在俺の前にいるのは、クラスメイトで友人の望月綾時その人に間違いがなかった。
数秒前までは、刈り取る者を連想させるような、明らかにシャドウと思しき姿だったが、今の望月はいつものようにマフラーがトレードマークの人物に間違いはない。
もしかしたら、一瞬俺は何かの幻覚でも見せられているのかと思ったが、アイギスが機能停止している状態を見れば、幻覚でも何でもないのは明らかだ。
……まぁ、アイギスが倒れているのも幻覚だと言われれば、どうしようもないのは間違いないが。
「お前、本当に望月か?」
「そうだよ。君のクラスメイトにして友人の望月綾時さ」
「……で、その望月が何がどうしてこんな風になってるんだ?」
そう尋ねつつも、俺は望月を警戒する態勢を解くような真似はしない。
望月からは、敵意も悪意も感じない。それは間違いないのだが……同時に、アイギスが望月の手によって破壊されたというのも、間違いのない事実なのだ。
そうである以上、ここで望月を相手に警戒を解除する訳にはいかなかった。
ましてや、望月は先程刈り取る者とどこか似通った姿をしていたのだから。
そんなも望月を見て、警戒を解けという方が無理だろう。
ふと、望月の様子を眺めつつ、軽く地面を蹴る。
それが合図と理解した刈り取る者が、俺の影から姿を現す。
「これは……驚いたな」
俺がこの場に姿を現してから、全く驚いた様子を見せなかった望月だったが、刈り取る者の姿には驚いたのだろう。珍しく、目を大きく見開いている。
「アルマー君、君は……一体……」
「こいつはタルタロスで俺の召喚獣になった、刈り取る者だ。……驚いて貰ったようで何よりだな。俺ばかりが驚かされるというのは、ちょっと面白くなかったし、丁度いい」
「いや、それは……本当に君は一体何者なんだい? この子は、間違いなくシャドウだ。それは僕にもしっかりと分かる。けど、同時にシャドウでありながら、シャドウではない存在になっている」
「……それは否定しない」
俺がタルタロスで会った刈り取る者は、少なくても背中から蝙蝠や悪魔の如き羽根なんか生えてなかったしな。
俺の血によって、刈り取る者がシャドウであってシャドウではない存在……俺の召喚獣になったのは、間違いない。
「さて、お互いに驚き合ったところで、そろそろ話を進めるとするか。……そうだな、何から聞けばいいのか分からないが、一応これから聞いておくか。アイギスをやったのはお前か?」
「彼女かい? ……ああ。正直、僕は戦うつもりはなかったけど、彼女は僕と戦わなければならない理由があった。悲しい事だね」
そう告げる望月は、冗談でも何でもなく……本当に悲しそうな表情を浮かべている。
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