斬月編・バロン編リメイク
ニセモノお嬢様は見た!
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咲はすっくとソファーを立ち上がった。
「碧沙?」
「お手洗い、行ってくる」
インターバルはまだまだ続くと判明したのだ。せめてホテル内の廊下でも歩いて気分転換しておこう。
お手洗いをすませた咲(体はヘキサ)は、豪奢な廊下の細工を一つ一つ立ち止まって眺めながら、ゆっくりと元来た道を戻っていた。
「――、ざいません――お坊ちゃまに逃げられ――」
何か不穏な単語が聞こえた気がして、咲は声が聞こえたほうへ小走りに行って角から覗いた。
(今日会うえらい人の執事の……アルフレッドさん、だっけ。だれと電話してんだろ)
「ですが心配には及びません。――。はい。見つけ出して、必ず始末を」
アルフレッドが電話を切った。
「自分の息子を――悪いご主人様だ」
ひゅっと息を呑んで、隠れていた角に引っ込んだ。
(さっきシマツって言ったよね。最初にお坊ちゃまって言ったよね。息子って言ったよね。なにそれ。陰謀? お家騒動? ど、しよ。どうしたら。そうだ! 光実くんとお兄さんに知らせたら)
「盗み聞きとはマナーがなっていませんねえ。小さなレディ」
はっとして咲が顔を上げれば、すぐ後ろに、愛想よく笑うアルフレッドが――
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