暁 〜小説投稿サイト〜
外伝・少年少女の戦極時代
斬月編・バロン編リメイク
あたしがあなたで、あなたがわたしで
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行動だった。

 咲は勇気を出して、重々しい白門扉を引いて、呉島邸に足を踏み入れた。

「おじゃま……じゃなくて、ただいまー……?」

 これが室井家なら母が「おかえりー」と答えてくれるのだが、この屋敷では沈黙だった。

(うわー。ホールにシャンデリアと噴水? とか。いかにもお金持ちな感じの家だなあ。とりあえず自分の……ヘキサの部屋行って、荷物おいてこなきゃ。確か2階に上がって右の一番奥の部屋、だっけ)

「碧沙。帰ったのか」

 口から心臓が出るかと思った。

「た、たた、たっ」
「碧沙?」
「ただいまっ、貴兄さん」

 言えた。あの、恐怖の化身といって過言でない白いアーマードライダー、呉島貴虎に対して、笑顔で、挨拶できた。

「ああ、おかえり。――ケガをしたのか? 頭に湿布なんて貼って」
「ちょっとヘキ……トモダチ、と、ぶつかっちゃっただけ。だいじょぶ」
「ならいいが。上がって着替えて来なさい。夕食にしよう」
「はぁい」
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