デューク&ナックル編
Down to Prologue “F” She go
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――後日。ドルーパーズのボックス席の一つにて。
片や、黒いセーラー服の少女(外見年齢は小学生)。
片や、カジュアルなストライプスーツを着流す男。
「そんなわけで、今回は帰省が遅れた戒斗くんが全面的に悪いと思うの」
「お前は相変わらず体だけじゃなく頭も育っていないな」
「っ、そもそも! うっかりヘンな平行宇宙に迷い込んであげくヘキサ襲ったってどーゆーことさ!?」
「あの碧沙にとって、“駆紋戒斗”が“死を強く意識させた存在”だったから、依り代に俺が使われたらしい。言っておくが、碧沙本人には傷一つ付けてないぞ。一緒にいた赤い槍の女と殺し合っただけだ」
「世界線またぐ規模でよそさまにメーワクかけるんじゃなーい!」
「落ち着け。あと座れ。テーブルを叩くのはやめろ」
「う〜〜〜っ」
「外見だけでなく中身もそのままなら、お前の将来は絶望的だな」
「……絶望なんてとっくに通過ずみだもん。あたし本人のことはもういいの。未練があるとしたら、オトナになったヘキサたちにどういう目で見られるかってくらい」
「そうか」
「なぐさめてくれないのね」
「――慰めてほしかったのか」
「いいけどさっ。戒斗くんがそういう人だっての、今に始まったことじゃないし」
「分かってるなら言うな」
「あたしが言わなきゃだれが言うのさ。ザックくんとか城乃内くんとかは『戒斗だからしょうがない』的ムードだけど、あたしぐらいは言ってあげなきゃ、ほかに言ってくれそうな人、戒斗くん、いないじゃん」
「――――」
「ごちそーさまでした。そろそろビートライダーズのステージあるから、あたし、行くね。観に来る?」
「気が向いたらな」
「ん。じゃあ、またね」
碧沙はビートライダーズのステージを終えて、今の呉島家であるマンションに帰り着いた。
(今日も咲と上手く話せなかったなあ。好きで壁作ってるんじゃないのに。駆紋さんが街に帰って来たって、咲があんなキレイな笑顔で言ったりするから……ううん。これ、やつあたりだ。わたしって悪い子)
碧沙はマンションのエントランスのポストを確認した。部屋に上がる前の日課だ。
いつもならポストに入っているのは検針票や宗教勧誘のビラくらいなのだが、この日は違った。
ポストには一通のリーフレットが入っていた。
集合住宅にありがちなダイレクトメール――ではない。何故ならそのリーフレットは、他のポストには入っていなかったからだ。
リーフレットのタイトルは――
「『カルデア』?」
碧沙は学生鞄を床に置き、その場でリーフレットのページを、めくった。
【鎧武外伝2 ナックル&デューク編 -完-】
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