デューク&ナックル編
黒い悟りの根元にて C
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『――てゆーか』
月花はナックルとブラックバロンを、上空からずびしっ! と、指差した。
『しれっといるそこの二人! 病院! ケガ!』
『自主退院だ!!』
『なんっでバロンにはこういう男しかいないかなあもう〜っ!?』
上空で頭を抱えてじたじたする月花を見れば、大衆の抱く天使のイメージは爆発四散するに違いない。ナックルからすれば、実に咲らしくて親愛なる脱力気分になるのだが、隣のブラックバロンは果たして――
『ザック。あれが“戒斗が変わった理由”か?』
『あー。まあ、一応、半分くらい』
『そうか――』
『シュラ?』
『あのガキ、俺を“バロン”にひっくるめて呼びやがった』
フェイスマスクの下で、きっと彼は笑みを浮かべたのだろう。
ナックルもまたフェイスマスクの下で笑み、気合いを入れてマロンボンバーを打ち鳴らした。
『おらああああ!』
ナックルはセイヴァーへと走りながら、カッティングブレードを1回切り落とす。
《 ジンバーマロンスカッシュ 》
ハイジャンプからの錐揉み回転。そうすることで手甲のイガが四方八方へ飛び散る。
――セイヴァーの大橙丸と黒いソニックアローは、なるほど、攻撃性に富んでいる。だが防御性能が低いことを、先のセイヴァーとの数合ですでにナックルは看破していた。
案の定、セイヴァーは二つの得物だけではイガを防ぎきれず、イガを食らって後ろへたたらを踏んだ。
怯んだセイヴァーにブラックバロンが畳みかける。
バナスピアと、交差させた大橙丸と黒いソニックアローがぶつかり合って火花を散らした。
『何故だ……! あなたは神の下、指導者の一人となるに足る器だった!』
『テンプレートだが、古いダチと雨の埠頭で殴り合ってな。出直し修行をすることにしたんだよ!』
ブラックバロンは大橙丸と黒いソニックアローを弾き上げ、空いたセイヴァーの胴をバナスピアで袈裟斬りにした。
『くぅ……!』
セイヴァーはその場に立ち留まることなく下がり、黒いソニックアローを構えてストリングを引いた。
標的は――滞空する月花。
ブラックバロンがカッティングブレードを1回切り落とした。
《 バナナスカッシュ 》
鮮紅色のソニックアローは、ブラックバロンが宙へと突き出したバナスピアの軌道上に出現した黒いバナナ状のソニックブームによって勢いを減じた。
月花はヒマワリフェザーを前面に回して盾とし、鮮紅色のソニックアローをきっちり防いだ。
『ザック!』
応えて、ナックルはカッティングブレードを2回切り落とした。
《 ジンバーマロンオーレ 》
打ち鳴らした手甲が、焼いたクリのように灼熱を撓める。
『はあああっ
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