暁 〜小説投稿サイト〜
外伝・少年少女の戦極時代
デューク&ナックル編
黒い悟りの根元にて A
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

『はあぁ!』
『ふん――!』

 斬月が揮った無双セイバーを、セイヴァーは黒いソニックアローで受け止めて、マゼンタの大橙丸で逆に斬月に斬りつけた。斬月は小玉スイカを模した盾で大橙丸を防いだ。

 ウォーターメロンアームズはガトリング砲を本領とするが、手榴弾を主武装とする月花を相方にするなら、ウォーターメロンガトリングと無双セイバーとして使ったほうがバランスを取れる。斬月自身、盾と剣のバトルスタイルのほうが慣れている。

 似通った攻防が4度に渡った時、斬月とセイヴァーの周りで小爆発がいくつも起こった。月花の投げたDFボムだ。

『紘汰くんがどんなキモチでいたかも知らないくせに……! 紘汰くんがどんだけ悩んだか知らないくせにッ!』

 ……普段なら微笑ましい少女の純情は、変身中はDFボムの大量投下という行動で発露する。
 しかも厄介なことに、「斬月なら避けられるから」という有難くない信頼によって、斬月も爆破射程に入っていたりする。

『それを「見捨てた」とか、絶対、ゆるしてなんかあげない!!』

 二度目のDFボムの乱れ撃ちを、セイヴァーは黒いソニックアローから放った光矢で誘爆させて相殺した。

『だったら――!』

 月花はDFバトンを繋いでロッドにして、前衛に飛び出た。

 斬月は月花がDFロッドでセイヴァーに挑むタイミングを計り、月花と合わせて無双セイバーを突き出した。両者共に近接格闘からの交替での攻撃。

 だが――

『あなたたちでは及ばない』

 前後からの挟撃に持ち込んだ斬月と月花を、これを待っていたといわんばかりに、セイヴァーは回転しながらのディメンションアタックで吹き飛ばした。

『きゃう!』
『く……っ』

 斬月と月花はそれぞれに屋上のコンクリートに叩きつけられた。

 やはり、狗道供界は強い。
 過去に凌馬と二人がかりでどうにか押し切ったほどの難敵だ。
 純粋な斬撃ではメロンアームズに劣る今の斬月と、変身しているとはいえ女子中学生の膂力しかない月花では、決定打に欠けた。


 コンクリートに転がった自分たちの内、セイヴァーが先に狙ったのは月花のほうだった。

 セイヴァーは黒いソニックアローの先に月花を捉えてストリングを引く。

『あなたたちの戦いをずっと見守ってきた。あなたたちのやり方は手に取るようにわかる。私が近づけば、あなたは自爆してでも私を倒そうとすることも』
『……ったりまえでしょ。あたしは全ビートライダーズ代表してここにいるのよ。あんたの救済もなにも知ったこっちゃない。ビートライダーズ、ナメないでくれる?』
『それが強がりであることも私は知っている。だからやはり私はこうしよう』

 セイヴァーがストリングから手を離した。


[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ