デューク&ナックル編
黒い悟りの根元にて A
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『はあぁ!』
『ふん――!』
斬月が揮った無双セイバーを、セイヴァーは黒いソニックアローで受け止めて、マゼンタの大橙丸で逆に斬月に斬りつけた。斬月は小玉スイカを模した盾で大橙丸を防いだ。
ウォーターメロンアームズはガトリング砲を本領とするが、手榴弾を主武装とする月花を相方にするなら、ウォーターメロンガトリングと無双セイバーとして使ったほうがバランスを取れる。斬月自身、盾と剣のバトルスタイルのほうが慣れている。
似通った攻防が4度に渡った時、斬月とセイヴァーの周りで小爆発がいくつも起こった。月花の投げたDFボムだ。
『紘汰くんがどんなキモチでいたかも知らないくせに……! 紘汰くんがどんだけ悩んだか知らないくせにッ!』
……普段なら微笑ましい少女の純情は、変身中はDFボムの大量投下という行動で発露する。
しかも厄介なことに、「斬月なら避けられるから」という有難くない信頼によって、斬月も爆破射程に入っていたりする。
『それを「見捨てた」とか、絶対、ゆるしてなんかあげない!!』
二度目のDFボムの乱れ撃ちを、セイヴァーは黒いソニックアローから放った光矢で誘爆させて相殺した。
『だったら――!』
月花はDFバトンを繋いでロッドにして、前衛に飛び出た。
斬月は月花がDFロッドでセイヴァーに挑むタイミングを計り、月花と合わせて無双セイバーを突き出した。両者共に近接格闘からの交替での攻撃。
だが――
『あなたたちでは及ばない』
前後からの挟撃に持ち込んだ斬月と月花を、これを待っていたといわんばかりに、セイヴァーは回転しながらのディメンションアタックで吹き飛ばした。
『きゃう!』
『く……っ』
斬月と月花はそれぞれに屋上のコンクリートに叩きつけられた。
やはり、狗道供界は強い。
過去に凌馬と二人がかりでどうにか押し切ったほどの難敵だ。
純粋な斬撃ではメロンアームズに劣る今の斬月と、変身しているとはいえ女子中学生の膂力しかない月花では、決定打に欠けた。
コンクリートに転がった自分たちの内、セイヴァーが先に狙ったのは月花のほうだった。
セイヴァーは黒いソニックアローの先に月花を捉えてストリングを引く。
『あなたたちの戦いをずっと見守ってきた。あなたたちのやり方は手に取るようにわかる。私が近づけば、あなたは自爆してでも私を倒そうとすることも』
『……ったりまえでしょ。あたしは全ビートライダーズ代表してここにいるのよ。あんたの救済もなにも知ったこっちゃない。ビートライダーズ、ナメないでくれる?』
『それが強がりであることも私は知っている。だからやはり私はこうしよう』
セイヴァーがストリングから手を離した。
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