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外伝・少年少女の戦極時代
デューク&ナックル編
黒い悟りの根元にて @
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しい。

「行くぞ」
「ええ」

 貴虎と咲はテナントビルの外付け階段を登り、ビルの屋上へ出た。






 ――果たして。一人の男が()()()()()

「あんたが狗道供界?」
「そうだ。室井咲。鳥ならずして空翔けるもの」

 咲が飛翔形態のヒマワリアームズを持つことは限られた人間しか知らないことだ。

 思い返せば、今日の今日まで供界の情報は一つたりとも掴めなかった。ザクロのロックシードやドライバーを量産してアウトローにばら撒くなど、見つけてくれと言われているも同然だったのに。
 まるでこの男が俗世からは不干渉の位置にいるかのように――

「葛葉紘汰は世界を救えなかった。黄金の果実を手にしながら、葛葉紘汰は人類を見捨てた」
「……なんですって?」
「私のもたらす救済を受け入れよ。ヘルヘイムが去った今、私だけが人類を救える。人類は肉体の束縛から逃れ、くり返す戦いの輪廻から解放されるべきなのだ」

 供界が取り出したのは、ゲネシスコアを装着した戦極ドライバー。
 供界はドライバーを無造作に腹に装着すると、両手にロックシードを握った。ロックシードもまた過去に見たものと同じ。「L.S.MESSIAH」と刻印されたザクロと、ブラッド(血染めの)オレンジだ。

「変身」
《 ザクロアームズ  狂い咲き・サクリファイス 》
《 ブラッドオレンジアームズ  邪ノ道・オン・ステージ 》

 クラックは開かず、供界の周囲に鮮紅色の鎧が出現し、供界の全身を覆った。昔と同じ、鮮紅のアーマードライダー、セイヴァーがそこに立っていた。

 予想されて然るべき展開だった。
 貴虎はすぐさま量産型ドライバーを装着した。

「室井君、準備は!?」
「もちばっち! 紘汰くんバカにした時点であたし的には和解の余地なし!」

 咲は戦極ドライバーを装着して、ドラゴンフルーツの錠前を開錠することで答えとした。

 貴虎もまたウォーターメロンの錠前を開錠した。

「「変身!!」」
《 カモン  ドラゴンフルーツアームズ  Bomb Voyage 》
《 ソイヤッ  ウォーターメロンアームズ  乱れ玉・ババババン 》

 ウォーターメロンの鎧が貴虎を斬月に、ドラゴンフルーツの甲冑が咲を月花に変えた。

 斬月は無双セイバーを抜刀し、月花は両手に持てるだけのDFボムを持って、セイヴァーと対峙した。
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