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外伝・少年少女の戦極時代
デューク&ナックル編
ラスボス≠黒幕
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える勇気を持っていた。

「そんだけ。あと、退院したらアザミ姉ちゃんに謝りに行けよ。じゃ」

 ペコは口早に告げてそそくさと病室を出て行った。


(俺も、勇気出さねえとな。でないと戒斗が帰ってきた時にぶん殴られちまう)

「シュラ。二度とバロンを騙るな」

 踊らないことも、違法な組織を作り上げることも、それがシュラの信念と意志に基づくものならばザックに止める権利はない。ザックが止めるべきことがあるとしたら、“バロン”の名と誇りを貶めさせない、この一点に尽きる。ザックはチームバロンのリーダーだ。

「ああ。もう――追いかけるのも疲れた」

 シュラがベッドの上に体を起こす。

「ザック。一つだけ聞かせろ。駆紋戒斗は、変わったのか?」
「少なくとも、お前が知ってる時点からは見違えたぜ。お人好しな元フリーターの神様とちびな天使サマのおかげでな」

 パンパン!

「はいはーい。シリアスモード終了のおしらせー」
「ナッツ……お前な」
「サーセン。おれたち実は別件で来たんすよ」
「……聞くことが、ある。あんたに」

 3人の顔が一糸乱れずシュラに向けられた。
 季節柄以上に、ぞくりと、した。

(お前らそれ、中学生の目つきじゃねえぞ)

「ネットとコネ総動員して調べた結果、シュラさんがロックシードをもらってた相手が厄介っぽいって判明してね。ネオ・バロンが解体された今、別の、似たような集団や組織を見繕って、おんなじことをする可能性大なの。ビートライダーズから第二第三のネオ・バロンを出さないためにも、そこを叩いておきたいの」
「そーゆーことでおれたちが派遣されたってわけ。だからさ、聞かせてよ。あんたが裏でつながってたのは『誰』だったのか」

 シュラが沈黙した時間はそう長くなかった。
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