暁 〜小説投稿サイト〜
外伝・少年少女の戦極時代
デューク&ナックル編
ライダーズ・ロジック B
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 まず、ありえない目覚めに驚いて。次に、病院のベッドに横たわる自分のすぐそばに、


“目が覚めたか”


 駆紋戒斗が付き添っていたことに、今度こそ死ぬかと思ったほど驚いた。


“落ち着け。何もしない。もう全て終わったからな”
“終わった?”
“ああ。葛葉と――室井が、終わらせた”


 絋汰と咲が。意外といえば意外で、けれどもしっくり来る組み合わせだった。

 どんな顛末で、絋汰と咲がどんな手段を用いて、戒斗の命を奪わず地球を救ったのか、気にならないと言えば嘘だった。

 だが、ザックの口を一番に突いた疑問は――


“お前、人間に戻れたのか?”


 こうして傍らにいる戒斗(おまえ)は、ザックが知る人間・駆紋戒斗なのか――だった。

 戒斗はベッドサイドのイスから立ち上がって、病室のドアに向かった。おい、とザックは引き留めたが、戒斗は足を止めず、ドアのスロープに手をかけて。


“戻れるわけないだろう”


 自嘲とも自責ともつかない答えを残して、病室を出て行った。




 ――こうなった今だから、ザックには言える言葉がある。あの時から言えずじまいだった、誰にとっても大切なこと。

(馬鹿野郎。戻れねえわけねえだろ)

 ザックはついに、シュラ一人が待つがらんどうの闘技場に辿り着いた。
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