デューク&ナックル編
新しいバロン?
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なかったのよねえ――とは小学校卒業前のトモの言である。なるほど、憎まれ口であっても律儀に相手に応酬したシドは、嫌いな相手であれ無視を決め込んでいられないトモと共通する部分がある。トモとはそういう人間だ。
閑話休題。
「てわけで、わたしは遅くなるってゆーか、ぶっちゃけ出らんないから……」
碧沙は椅子をトモの机の横に置いて、座った。
「分からないとこ、どこ?」
「……いいの?」
碧沙は寂しさと安堵が入り混じった笑みで応えとした。
トモは碧沙の表情で察してくれた。
「こっからここまで、全部」
「はいはい。じゃあ教科書出して。これなら15ページの練習問題とほぼ同じだから――」
教室にまんべんなく射し込む陽光がオレンジに染まりゆく中。
窓の向こうから届く、部活中の生徒のかけ声と、ホイッスル、バッドの殴打音、ボールのラリー音。
――碧沙はそれらをBGMに、トモが補習プリントを全て解けるまで、ずっとトモの机に貼りついていた。
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