暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生と和歌山の海と山
第八幕その四
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「それでも決着自体はね」
「つかなくて」
「信玄さんも謙信さんもそれからはお互いが戦うことはなかった」
「そうだったんだったね」
「そうだよ、それで謙信さんはお酒が好きでね」
 このお話もした先生でした。
「毎日凄く飲んでいたらしいよ」
「あっ、何か凄かったらしいね」
 王子も謙信さんについて言ってきました。
「謙信さんの酒好きは」
「そうだよ、もう毎日かなり飲んでいたんだ」
「それで陣中でもお酒を飲んでいて」
「欠かすことがなかったんだ」
「今もかな」
 お亡くなりになってからもと言った王子だった。
「謙信さんはあちらの世界でお酒を飲んでいるのかな」
「そうかもね」
「ううん、それじゃああちらでは信玄さんともね」
「仲良くだね」
「飲んでるかな」
「そうかもね、ライバル同士だったけれど」
 それでもでした、先生は信玄さんと謙信さんのことを脳裏に思い浮かべました、今度はお二人をです。
「お互い認め合っていた節があったし」
「実際にだね」
「だからね」
 それでというのです。
「あちらの世界ではね」
「仲良くだね」
「飲んでいるかもね、信玄さんも飲めたみたいだし」
「そうなんだ」
「うん、ただ織田信長さんはね」
 ここで、でした。先生は先に先にと歩いていって皆をその織田信長さんのお墓のところに案内してこの人のこともお話しました。
「実はお酒が飲めなかったんだ」
「それ意外だよね」
「甘いものが好きだったんだよね」
「何か飲みそうなイメージがあるけれど」
「信長さんこそ一番飲みそうなのに」
「それがね」
「信長さんは本当に飲まなかったんだ」
 お酒はです。
「下戸だったみたいなんだ」
「何か映画とかじゃよく飲んでるけれどね」
「中には黄金の髑髏で飲んでるよね」
「あれは引くよ」
「かなり怖い場面だよ」
「あれもなかったんだよ」
 黄金の髑髏でお酒を飲むこともです。
「だってあれもね」
「ああ、信長さんはお酒飲まないから」
「それじゃあ黄金の髑髏の杯とかね」
「作っても仕方ないよね」
「そうしたことをしても」
「そうだよ、実際はそうしたものも作らせてなかったみたいだよ」
 このお話は有名なお話でもです。
「実際の信長さんはそんなに残酷でもなかったしね」
「必要な敵だけ倒して」
「それでだったんだね」
「残酷なことはしなかった」
「そうだったんだ」
「当時としては普通だったかな」
 特に残酷ではなかったことは間違いないというのです。
「確かに怒ると凄かったけれど普段は家臣や民の人達のことをいつも考えていたし」
「そうだったんだ」
「何か実際の信長さんは時代劇とかと違うんだね」
「横紙破りってイメージあるけれど」
「ダークヒーローっていうか
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ