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ロボスの娘で行ってみよう!
第41話 ランボーなリーファ 
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!!!

ヤンの叫びに走馬燈の映像が変わる。

これは、さっきの。
ヤンがラップとジェシカの婚約を聞き、一人うらぶれていた時現れた。自然にウエーブのかかった金褐色の頭髪とヘイゼルの瞳を持つ、美しく可愛らしいお嬢さん。彼女が親しげに話しかけて来たが、ヤンは最初は誰だか判らなかった。

「ヤン・ウェンリー中佐殿でありますね」
「そうだけど、貴方は?」
「申し遅れました。小官はフレデリカ・グリーンヒル候補生であります」

「グリーンヒルというと、グリーンヒル総参謀長の」
「はい、娘です」
「それは又、どうも」

ヤンも男である、綺麗な美少女に話しかけられれば、嬉しくないと言うのは嘘になるし、それに以前キャゼルヌ先輩から美人で才媛と聞いていたから興味もある。

「ヤン大佐にお会いするのは此で二度目なんですよ」
「えーと、何処かでお会いしましたっけ?」

ヤンとしてはこんな美人に会っていれば忘れる事は少ないであろうが、記憶の片隅まで調べようとしたが、ゴチャゴチャと整理されていない部屋と同じで探しきれないので諦めた。

「中佐は4年前、エル・ファシルで一人の女の子の心に絶対的な信頼を植え付けることに成功なさいました」
「・・・・・?」
不審げなヤンにむかって、金褐色の頭髪の美しい少女は言った。

「私はその時母と一緒にエル・ファシルにいたのです。母の実家がそこにありましたから。食事する暇もろくに無くて、サンドイッチを囓りながら脱出行の指揮を取っていた若い中尉さんの姿を、私ははっきり覚えています。でも、そのサンドイッチを喉に詰まらせたとき、紙コップにコーヒーを入れて持ってきた14歳の女の子のことなど、中尉さんの方はとっくに忘れておいででしょうね」

「・・・・・・・・」
「そのコーヒーを飲んで生命が助かった後で何と言ったか、も」
「・・・・何と言った?」

「あー助かった。けどコーヒーよりも紅茶が良かったなーって」
「そんな失礼なことを言ったかな」
「ええ、仰りました。空の紙コップを握りつぶしながら」

「それは、済まなかった。しかし凄い記憶力だね」
「ええ、私にとって忘れられない出来事ですから」
「ありがとう、ミス・グリーンヒル」

「フレデリカって呼んで下さいって、あの時言いましたよ」

にこやかに話しかけてくるフレデリカの笑顔が凄く心に残っている。
やさぐれた心に染みいる一服の清涼剤の如くであった。
そしてヤンの意識は奈落へと落ちていった。


■自由惑星同盟首都星ハイネセン ハイネセンポリス ホテル アヴィスタ

シトレ統合作戦本部長が撃たれた直後、ヤンとワイドボーン以外は殆どが動けない状態で有ったが、リューネブルク准将とシェーンコップ中佐は素早く動き出していた。

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