18話→兄と弟(前編)
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すものであり、ISはその解決策である。
それの中心的知識を独占することは、他国の防衛権の侵害につながるとして、日本のIS産業に介入しようとしてきたのだ。
日本を攻めてきた奴等がどの面下げてと言いたいが、ここで喧嘩腰になるのもあまり経済的観点ではよろしくない。
日本は悩んだ末に、結論として、日本に最大限のメリットを享受できるシステムを構築した上で、国内に国連加盟国の共同開発&訓練所を設立した。
それが、今、俺の目の前にあるIS学園である。
さて、着いた事は着いたけど…………。
まあ当然、ISという軍事機密の塊を保管している学園である。警備はただの高校とは比べ物にならない。銃器すら保持しているガードマンがいるくらいだ。
昔みたいに『あ、お疲れ様です』とか言って中に入ろうものなら、そのまま蜂の巣にされそうである。
うーん、かけ直せば良いのかな。
ショートメールが送られてきているなら、この番号にかけ直せば兄に繋がるはずである。
(でも仕事中だったら迷惑だし…………)
そうやって暫し悩んでいると、一人の少女が、一夏に駆け寄ってきた。
「織斑、一夏君だよね?」
「あ…………はい」
見知らぬ相手に急にフルネームを呼ばれたことには困惑するが、別に間違っていないのでとりあえず頷く。
同時に、自分を呼んだ相手を再度眺めた。
水色のシャギーのかかった髪に、チシャ猫を思わせる切れ目の瞳を持つ美少女。
(うーん、分からないなあ)
一夏は頑張って記憶を手繰ってみるが覚えがない。
そのため、返事はしたものの、どう反応するか悩んでいると、一夏の心情を見抜いたのか、彼女は手を軽く振って言葉を紡いだ。
「あー、ごめんごめん、私たち初対面で合ってるわ。だん……いや太郎から頼まれて、迎えに来たの」
一瞬言い淀んだ言葉も気になったが、それよりも気になる事を一夏は彼女に問いかける。
「なんで、兄貴は俺がこの時間に来るって分かったんですか?」
ある程度待つつもりで早めに来た筈なのに。
その疑問に、彼女は首もとを差して答える。
「太郎のペンダントは今、持ってる?」
その返答に一瞬ぎょっとするも、そういえば兄の関係者だと思い直し、なるべく動揺を表に出さず、答えた。
「ええ、兄貴のプレゼントですから、肌身離さず持ってますよ」
ペンダントの『中身』についてはおくびにも出さず答える。
兄との約束だ。例え誰であっても『それ』については話す気はなかった。
自分の動揺に気づいているのかいないのか、彼女はサバサバと言葉を重ねた。
「そ、それ。それの機能の一つで、君の現在位置を把握したの。ま、GPSみたいなもんね」
そう答えると、彼女
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