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雪音クリスの休日
04
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れていたと思い込んでいて、父親を欲していたクリスに親として面会して、今まで貢がれまくった分のお返しにオネダリを聞いたり贅沢な食事をさせてやって、別れを惜しんで何時間もカラオケで歌を聞かされるのを楽しんでいたのだと聞かされ、今度は男として違う怒りと憎しみに突き動かされ隊員全員立ち上がった。

「あたしは安くてもいいからステディリングとか、結婚指輪が欲しかったのに、こんなのあんまりだあ〜、あたしなんか子供だとしか思われてなかったっ、女だと思われてなかったんだっ、うわああああああああああっ〜〜」
 真昼間の、親子連れ家族連れも多い公園のど真ん中で、盛大にガチ泣きを始めてしまったクリス。
 そこに特異災害対策機動部の重武装下面々が突入命令を受けて、ゆっくりと包囲を固め、乙女の純情に気付くことすらなかったクソ野郎を処刑するために集ってきた。
「な、何事だ? 何の事件だ?」
 自分が仕出かした重罪を理解していない元司令官、ここまで鈍すぎるのも、クリスの思いに答えなかったのも犯罪で重罪である。
「司令、あんた自分が何をやらかしたのか、何も分かってねえ」
 乙女の純情を踏みにじった男を軽くタコ殴りにして、全員で役所に連れて行って婚姻届けにサインをさせて、指輪を売っている店に連行してクリス用の指輪を買わせて、結婚に承諾しなかったら本当の地獄に直送してやろうと決意した実働部隊完全武装の180名が、地獄の獄吏のような顔をして真昼の公園に集結した。

「世界を壊す、歌があるッ!!」
 そこに司令の携帯に着信があり、一瞬で通話状態になり、スピーカーホンに切り替わって話し出した。
 声はエルフナインなのだが、どうやらセリフ内容からすると、錬金術師のキャロル本人。
 元は死んでゆくエルフナインの心とか記憶を、キャロルボディーにインストールしてあるだけで、今の体は元々キャロルの体で、中身に少しだけエルフナインが間借りして入っているだけなので、キャロルからの通話だと思って間違いない。
 その頃には特異災害対策機動部が、全員影縫いとか不動金縛り系の術に掛かっていて、司令をブッ殺したりタコ殴りにできなくなっていた。
「SONG司令っ! これから私が言う事を正確に実行しろッ! でなければ錬金術師と自動人形(オートスコアラー)の事変がもう一度起こるのだと覚悟するが良いっ!」
「ハイ……」
 何か自分はとんでもない事を仕出かしてしまい、エルフナインがキャロル化して、オートスコアラーまで復活させて、パパの遺言で成仏したはずのキャロルが世界を壊す歌を歌い始めてしまうのだと理解した。
「まず第一っ、流行りの指輪を売っている店に行き、クリスが望むステディリングを購入しろっ! 授業中に付けても構わない、お守りのような簡単な物だっ、そしてもう一個、婚約の指輪としてクリスが望むも
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