賢者の孫騎士 2
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るのは恥ではない。団長、副団長を除けば小隊単位で一体を釣りだして狩っている所だ。最終的には私や団長達のように一人で数体、十数体を纏めて葬れるようになって貰いたい。余談ではあるが、災害級のさらに上、暫定的に厄災級と名付けた空を駆け雷を操る虎、双頭から獄炎を吐く獅子が確認されている。討伐は未だされていない。意味は分かるな?」
会場がパニックに陥りそうになるのを増幅させた手を叩く音で沈める。
「すぐにどうこうなる話ではない。だが、100年、200年となればどうなるかわからない。このままでは蹂躙されるだろう。なればこそ、育て鍛え上げねばならない。その最低ラインが単独での災害級の討伐。もしくは死者でなければどんな状態の者でも復帰できるだけの治癒魔法の使える者だ」
左腕の服を捲り上げ、ライトセイバーで服を切らないように左腕を切り落とす。悲鳴が上がり、中には倒れる者もいるが無視する。切り落とした左腕を左腕を拾い上げて切り口に合わせて治癒魔法で繋ぎ直す。左腕が動いているのを見せてから服を元に戻す。
「このレベルの治癒魔法を覚えたいという者は別個特別講義を開催する。詳しくは担任の教師に聞くように。長々と話したが、私が言いたいのはこのまま生半可な覚悟では滅びることになる。だが、単純に力だけを与えることはしない。力を得るだけの教養と自制心を身に着けて欲しい。これは『賢者』マーリン様と『導師』メリダ様のお考えでもある」
爺ちゃんと婆ちゃんの名を出すだけで空気が引き締まる。凄いと思うが、本人たちは絶対嫌がるだろうなぁ。オレがもしその立場なら逃げ出すな。
共に魔法学園の入学式に来賓として来ていたジークを虫除けに使いながら、仮面を外して変装に使っていた魔法を全て解除しながらマリアとシシリーの元に向かう。
「はぁい、お二人さん、元気にしてる?」
「シン、アンタ、一体どんな風に持っていったらあんなことになるのよ」
「オレからミッシェルさん、そんで国王陛下で大臣とか騎士団長とか学園長でそれらの総意。間引きの規模が大きくなっただけだ。あはははは」
裏事情はあるが、二人に話すようなことじゃない。何故なら手足の切り落としと、災害級の丘に連れて行ったことで7割が退団してしまったのだ。立て直しが急務となり、新しい世代にそれが求められているのだ。代わりに練度は上がったけどな。
「笑い事じゃないでしょうが」
うん、笑い事じゃないんだ。
「まあ、そういう訳で、一応講師として学園には転がりこんだから」
「あの治癒魔法の?」
「一応普通の授業で念動も指導することがあるかもしれない。マリアが試験で標的の鎧を捻じ曲げたでしょう?あの鎧、魔法に対して強い防御力と普通の鎧より多少低い防御力があるものだから、魔法による
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