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賢者の孫騎士 2
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離走と障害物競走が合わさったような感覚でしかなかった。魔力感知と念動を使って森を駆けてすれ違いざまにライトセイバーで撫でるだけの作業だからな。

「まあ、シンならそれぐらいは普通に出来るか。それにしても魔導騎士団か。魔法学園に一緒に入学してくれたら助かったんだけど」

「困りごとか?」

「最近、シシリーに付き纏ってくる男がいるのよ。上から目線で婚約者にしてやるだとか、女がでしゃばるんじゃないとか、周りの言葉にも耳を貸さないし」

「ふぅん、闇討ちすれば良いのか?」

「なんでそこまで発想が飛んじゃうのよ。虫除けになってくれれば楽だったのよ」

「潰す方が楽なんだがな。分かったよ。なんとか学園に転がり込んでやるよ。常にってのは無理だろうが時間が空いてる限りは虫除けになってやるよ」

「そんな、悪いですよ!!魔導騎士団なんてエリートの中のエリートなのに、私なんかのために無理をしなくても」

「いいの?結構無茶を言ってるんだけど」

「別に構わないさ。出世街道なんて興味ないし、友達の頼みは出来る限り叶えてやりたい主義なんでな。魔法学園で間違いないんだな?後から別の学園でしたってオチはやめてくれよ」

「大丈夫よ。余程のことがない限りはSクラスで合格してみせるわ」

「試験はまだだったのかよ!?」

「大丈夫大丈夫、これでも成績はトップだから」

「やべえ、シシリーに付き纏ってるやつを落第にする方が楽に思えてきた」

「犯罪行為だから止めときなさいよ」

「知っているかマリア、イカサマはばれなきゃイカサマじゃないんだよ」

「シン、人としてそれはどうなのよ?」

「人だからでしょ。そうじゃなかったら詐欺師なんてこの世に居ないさ」

収納からトランプを取り出してショット・ガン・シャッフルを行い、テーブルの上に並べる。神経衰弱と同じように2枚ずつめくって同じ数字のカードばかりをめくっていく。

「はい、今のはイカサマでしょうか?イカサマならタネを明かしてくれ」

「分かりません」

シシリーは素直に答え、マリアは即答する。

「私は分かったわ。カードの裏面の模様の一箇所だけ異なる部分があったわ。それでピーピングしてるんでしょう?」

「正解。じゃあ、次はこいつだな」

タネを仕込んでいない新しいトランプを取り出して確認してもらってからショット・ガン・シャッフルを行ない、さらにシシリーにカットしてもらう。

「魔力でマーキングしてるんでしょ。それ位なら分かるわよ」

「ありゃりゃ、やっぱりマリアは誤魔化せないか。シシリーは手にとっても分からなかったみたいだけど。それじゃあ、最後だ。今度は魔法も使わない」

魔力のマーキングを消し去ってからショット・ガン・シャッフル
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