暁 〜小説投稿サイト〜
雪音クリスの休日
03
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
即オッケーで子作りして寿退社して退学するつもりなのだが、これから書類手続きをして、その後、婚約、結婚になり、今からプロポーズされて、婚姻届けの妻の欄に自分の名前を記入して判子も押し、司令の戸籍の妻の欄に自分の名が収まるのを期待する。
「以前から言っていたように、卒業すれば私達、風鳴の家に来て欲しい」
「ハイ……」
 クリスは司令からのプロポーズを受けて、卒業即結婚のコースだと思って幸せの涙を流し始めた。
 プロポーズの言葉の中に「達」と言う余計な漢字が混じっていたが、旧家なので親族の手前、家に嫁入りするのは仕方ないと思った。
「時間は掛かったが、書類も用意した。君を風鳴の家の「養子」とするための書類だ、単身者が娘を迎えるのは難しいので、それまでに私も「妻」を迎えておくつもりだ」
「へえ?」
 クリスの脳神経回路は、今の司令の言葉を理解したくなかったが、この人物は自分を風鳴の家に「養子」として迎えようとしていて、その上、パパはクリスが卒業するまでに「妻」を迎えて万全の体制を整えてから自分を「娘」として戸籍に追加しようと画策していたのに気が付いてしまった。
「君がいつか嫁入りする日まで、風鳴の家で礼儀作法や家事を覚えてもらったり、武道の鍛錬もして貰わなければならないが、君には才能がある、立派にやり遂げてくれて、どこに出しても恥ずかしくない娘として、嫁に出せると期待している」
 ほんの数瞬前、自分はこのオッサンからプロポーズされて嫁入りするのを応諾したはずなのだが、話が右斜め上過ぎて脳が受け入れを拒否した。

 その頃、司令部には翼が顔を出して、叔父から相談されていた内容の通りの出来事が、中央モニターに映し出されていたので、真顔で喜んだ。
「何だ、皆も雪音を心配していたのだな、以前から司令に相談されていてな、弦十郎叔父を父と敬っている雪音には、正式に娘の地位に迎えるのが良いだろうと話していたのだ」
「「「「「「「「「「ハアアアッ?」」」」」」」」」」
 人間じゃないホムンクルス、エルフナインちゃんでもドン引き。デート途中に電話してきて、経過を聞いていたのも翼である。
 風鳴司令にクリスを娘として迎えるよう提案して、養子縁組の書類まで用意させ、叔父に妻を迎えて身を固めさせ、クリスの父として家族として相応しい人物になるよう提案した悪魔はここにいた。
 風鳴の一族は防人なので、世間一般の人物のように、ラブラブエロエロの脳神経回路は搭載されていない。
 例えば緒川とも相性が良く、一緒に家庭を営める人物だと判断されれば、結婚の内示が来て「良かろう、緒川なら婿としても胤としても申し分あるまい」と平然と言いきって、婿養子として迎え入れ、良質な胤としても子作りにも励んで、次世代の防人を育てて鍛錬をさせる。
 そこに愛だの恋だのと言う、下らない感
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ