Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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良いかも知れないなぁって、デコボコな塊の上を観察しながらあの子と話し合ってたんだけど……。
そうこうしてる間にさ。降りてきちゃったんだよね。
見慣れない光量に惹かれて侵入して来た黒の陣と、彼らを追いかけて来た白の陣が。
あれは本当、もんっの凄く焦ったよ!?
局所的には生物が降りても問題無い程度に冷めていたとはいえ、空間内部全体で考えればまだ安定してなかったのに! 白・黒とは組成を変えているにしても、「私達に戻ろうとする」物質がわんさか漂いまくってる所へ「私達が作って反転させた生体が」何の対策もせずに続々押し寄せてきちゃうんだもの!
しかも、降りて来てまでドッカンドッカンと遠慮無く力をぶつけ合っちゃって! 降り立った塊の一部を好き勝手に燃やすわ凍らせるわ変形させるわ……両陣に「壊れるから止めて!!」って言っても、「相手が止めないから無理」とか主張するばかりで全然聴いてくれないし!
そりゃ、自分とは違う意思が在ったら良いなぁとは思ってたよ? 実際、黒いものとの主張合戦は面白かったしね。白いものが創造神に対する自己主張を覚えた事自体は喜ばしいよ。
でもね。この時ばかりは、ね。
創造神、頭にきちゃった。
「来たれ! 変質の化身・黄金の粉砕者!」
いや、塊から見る私達の力の光が黄金色だったから。其処に着想を得て、つい、その場の勢いで造っちゃったんだよね。
密閉空間には無い組成且つ一定以上の力量を無差別に取り込んで体内で分解しつつ、取り込んだ力の分だけ、対象を空間に強制適合させる極微細な刃を生成・密集して形作る黄金の波……別名「分子破砕機」を吐き出す、ゴールデンドラゴンちゃん。
今考えると、我ながらえげつないね。
でも、今までに無い恐そうな見た目で自分達の存在を破砕しちゃう巨大種族が出現した事で、両陣は漸く空間から退いてくれたよ。
一時的な撤退だろうけど一先ず安心だーって、改めて辺りを見渡したら……
塊がね。一変してた。
白と黒の陣が来るまでは無かったものが、塊の表面を丸く覆い尽くしていたの。
融ける氷で波立つ海面に弾かれた黄金の光が、透明な大気で揺れる空間を水色に照らし。生まれ出た喜びに咲く橙色の花は、蒼天に響く力強い言霊と共に、柔らかく優しい桃色の旋律を奏でる。藍色の深く広い慈悲に育まれた緑は、赤い衝動に支配された命を包み込んで育む。その総てが重なり合って虹色の時間を刻めば、経験はやがて暮れ沈む紫に染まり、積み重なった記憶は夜の黒を越えて、朝の純白へと還って行く。
それは創造神が求めていたもの。
白と黒の世界では瞬きの間で消えてしまうもの。
創造神が最初に疑問
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