暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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を持つ白と黒の世界では結局、世界や白・黒の生物や私達の存在に吸収されてしまうと判明したの。
 君に解りやすく例えるなら……液体は蒸発させれば気体へと変化する。でも、蒸留したら液体に戻るよね、ってトコかな。
 要するに、私達や白・黒の力が一時的に細かくなった結果発生しただけの光と光が照らし出す現象は、私達(みなもと)が同次元に存在している限り、どうやっても長続きしないんだ。
 其処から割り出された観測条件は、大まかに四つ。

 対極性質の力を定点で衝突させ続ける事。
 新しい物質の飛散速度と衝突を和らげる事。
 元に戻ろうとする物質の働きを阻害する事。

 一つ目は簡単だ。光の正体は「対極に在る二つの力が衝突後に砕け散り、細かい単位で反発と結合を繰り返しながら新しい物質へと変わっていく過程」なのだから、これまでよりも遥かに膨大な量の材料(ちから)を注ぎ込んで、変化が完了するまでの間を引き延ばせば良い。
 白・黒の力量では全力でも瞬きの間で終わってしまうし、創造神と性質を反転したあの子がやるしかないなって結論は早々に出たんだけどね。
 問題は、二つ目と三つ目だ。
 光らせ続ける為に、より強大な力量を反発させる。までは良しとしよう。
 でも、定点に注ぎ込む力量と接触する勢いが比例した結果、飛散する勢いまで高めてしまったら? どうなると思う?
 うん。
 岩を破砕するつもりがうっかり粉砕しちゃった感じで、新しい物質の生成から不可視化するまでの間が極端に短くなるね。
 これは非常に厄介だ。
 光が照らしている間だけ見えて、直後の爆風で不可視化する……ということは、創造神が捉えた現象の正体は「光が白・黒の生物や物体に反射して造った虚像(さっかく)」か、そうでなければ「生成直後の新しい物質同士が互いに影響を与え合って作り出した実像(ほんもの)」だろう。どちらにしても、確証を得る為には「創造神とあの子が作り出す変換熱量に耐え得る生物・物体」と「新しい物質の生成から像を結ぶまでの余裕」が必要になる。
 どんなに新しい物質を量産しても、なんらかの活動を示す前に世界が吸収しちゃったら元も子もないでしょ? ってコト。
 そういう訳で導き出された四つ目の観測条件が

 排出され続ける変換熱量に耐性を持ち、生成された新しい物質を像が途切れない程度の速さで拡散させながらも、その先では決して私達に吸収されない、新しい法則で形成された隔離空間を創る事。

 ある程度の道筋をつけた創造神とあの子は、まず、白・黒の戦いの中心から遠く離れた場所に在る湖の中で、お互いの力を混ぜ合わせて新しい組成の空間を展開した。
 水は空気より高密度だ。仮に組成の失敗で空間が爆発しちゃっても、水中であれば白と黒の世界への影響は大幅に軽減できるからね。まぁ、無事に頑丈な
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