Side Story
変わりゆく者達へ 〜Message from will of the primitive〜
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らない「何か」について考えている。
「私」は何も無い場所で「何か」を追求する「何か」。
「何か」である「私」は、どういうもの?
……そうそう! 察しが良いね!
その瞬間に生まれたのが、あの子だよ。
あの子は、創造神の外形を正確に映した姿で、創造神の前に現れた。
創造神は、創造神を認識するあの子を認識して初めて、自分自身以外の「何か」を思考の中に投影・分解・再構築し、意識の外へ実体を与える術が在る事実を「学習」した。
ふふっ、少しばかり難しい言い回しだったかな?
単純に言えば「存在に気付いた」って事だよ。
現在、あの子の内側に、私が居て、君が居る。私と君とで言を交わしたから、お互いがこの状況を認識している事を、お互いに認識できた。
でも、君が起きても私を認識できてなかったら、君の中に私は存在しなかったし、君は此処が何処なのか、推測はできても判別はつかないままだっただろう?
私は確かに此処に刻み込まれているけれど、あの子を含む私以外の意識に全く認識されなければ、私はあの子の内側には居ないも同然なんだ。それと同じさ。
あの子と創造神とがそれぞれの存在を認め合ったから、私達は「私達が在る世界」に気付けたの。
凄いよねぇ。一つを認めれば、物事は延々と繋がっていくんだよ!
例えば、複数の存在は数の概念を。音の認識は発信源及び受容体の形状と性質、双方の間に跨る距離、伝達物質の存在と量、振動と衝突と強弱の概念と因果を。
立てば底、見上げれば上下、見渡せば前後左右、飛び跳ねたり座ったりで高低差が生じ、距離に区切りを付ければ空間、飛び越せば無限大へ。
こんな風に、創造神とあの子がお互いに言を交わし出したから、「私達が在る世界」はどんどん拡がっていったんだ。
そんな中、創造神は私達以外にも思考する意識……「意思」が在ったら良いのにと思い立ち、それまでの認識を応用して、初めて意図的に可視生物と物体を組み上げた。
……うん? あの子は創造神が意図して生み出した生命体じゃないのかって?
そうだねぇ……後々にも話すけど、あの子は「創造神そのもの」だったから。創造神が組み上げた生物達とは根本が違うんだよ。君に託したい言も其処に繋がるんだ。タネ明かしはちょーっとお預け。ね?
話を戻すよ。
創造神が組み上げた生物と物体は、様々な形・様々な大きさで、創造神が視認していた範囲の世界をあっという間に埋め尽くした。景観とかは多分、光源や流動性が無かった事とか、真っ白か透明な物しか無かった点を除けば、君が知ってる世界と大体同じじゃないかな?
? 「流動性が無い景観」が解らない?
あー……。どう噛み砕けば良いのかな……。風が吹いても揺れない木の葉とか、流れない河とか、波が立たない海とか、削れない岩壁
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